361話 行為がバレたのです。
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揉み応えがあるたわわ。俺は目を閉じてそれを堪能したのであった。何度も何度もしっかりと……。
だが、そんな俺に声がかかる。
「あのっ~、大吉さん、いや、ダイキチーナちゃん、自分で自分の胸を触ってますねっ?」
「とんだ変態ね」
「ふぉふぉふぉ。元は男なのじゃ。気持ちはわからんでもないが」
「不潔」
「……うぐぐ」
俺は思わず目を開けて恵ちゃんたちから注目されているのに気がつくと、慌てて自分の胸から手を離す。
そうなのだ。
ここは白濁した透明度ゼロの硫黄泉なのだ。だからお湯の中でなにしてもわからないはずなのだ。なのに……、なぜバレた!?
「……え、えと、あ、あの、その……」
俺は思わずしどろもどろになってしまう。視線も定まらずあちこちをキョロキョロ見回すばかりだ。
「簡単ですよっ。お湯ですっ。ダイキチーナちゃんの胸元のお湯が下からかき回したように波立ったんですよっ」
なんてことだ。
俺は見えないから大丈夫だと思っていたが、不自然なお湯の動きがあったらしい。なので恵ちゃんたちはすぐに俺が自分の胸を揉んでいるとわかってしまったようだ。
「大吉さんっ。やっぱり女の子の身体に興味津々なんですねっ」
「まあ、男の子だからね。仕方ないわ」
「ふぉふぉふぉ。助平じゃのう」
「本能」
「……う、ぐぐぐ」
悔しいが女神たちに反論できねえ。
俺は敗北感に打ちのめされながら、それからは無言で手を動かすことなく入浴を続けるしかなかった。
見上げた空が実に青かった。
それからしばらくしたときだった。
恵ちゃんが全員を見回して口を開く。
「そろそろでませんかっ?」
「そうね。あんまり長湯しているとのぼせるしね」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。十分に堪能したのう」
「同意」
どうやら女神たちは今から風呂を出るようだ。この温泉には洗い場があるが、シャンプーとか石鹸はなかったから、身体を洗うことはできないしな。
「なら、俺が先に出ようか? いくらダイキチーナの身体と言ってもな」
そうなのだ。
俺は中身は男だ。だからどうしても女性たちの裸を性的に見てしまうからな。
じゃあ、集子ちゃんはどうなのか、だが……。もう女性として生きているから元ジジイってのは関係ないので女性扱いだ。
「わかりましたっ。じゃあ、ダイキチーナちゃんは先に出て下さいっ」
揉んでいるのがバレてしまったのです。(`・ω・´)∩
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私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。