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354/513

354話 鍵穴の出現なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 風呂から出てロビーに行くとちょうど恵ちゃんたちと出くわした。どうやら向こうも俺たちとほぼ同じ時間で温泉から出てきたらしい。




「ずいぶんと賑やかだったな」




 俺が恵ちゃんにそう声をかけた。すると恵ちゃんがギョッとした顔になる。




「……も、もしかして聞こえていたんですかっ?」




「ああ。新井は神力で違う会話が聞こえていたようだが、俺には高度なスキンシップを女同士でしている会話が聞こえていたぞ」




 すると恵ちゃんは一瞬で顔を真っ赤にした。……いや、恵ちゃんだけじゃない。呂姫ちゃんも秀子ちゃんも集子ちゃんも同様だった。




「お、おかしいわ。……神力使ってたのに」




「むう。効き目が悪かった」




「ふぉふぉふぉ。どうやら加茂大吉には効かんかったようじゃのう」




 どうやら女神たちは俺と新井に予め神力を行使していたようだ。だがなぜか俺だけに効かなかったみたいだな。




 その後、俺たちは7階のロビーで話し合いをした。

 それはどうしたら臥留子ちゃんとコンタクトできるかだ。

 あれから扉を叩いたりドアノブをガチャガチャしたりしたのだが、どうにも反応がなかったからだ。




「なにかが原因で不貞腐れているってことはないですよねっ?」




「臥留子は怒るとキレるけど、そんなに長続きしないタイプよ」




「臥留子は短気だけど、割と忘れっぽい」




「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。そんな性格じゃのう」




 どうやら臥留子ちゃんは割と気が短いタイプだが、根に持つ性格じゃないようだ。

 だとすると原因は別にあるんだろうな。

 そんなときだった。




「あれっ? ドアに鍵穴ありましたっけっ?」




 突然、恵ちゃんがドアを指さしてそう発言したのだ。そのドアとはもちろん臥留子ちゃんの世界へと通じる扉のことだ。

 そして恵ちゃんの言葉通りにドアノブの下に今までなかったはずの鍵穴があったのだ。




「なにかの変化があったのかもしれないわね?」




「臥留子の状態が変化?」




「ふぉふぉふぉ。条件付きで受け入れるという意思なのかもしれんのう」




 なるほど。

 今まで面会拒絶だった臥留子ちゃんだったが、なにか気持ちの変化があって鍵を開けられるのなら会っても構わないと判断したということか……。




 俺は鍵穴を調べた。それは最新式の電子錠ではなく、ギザギザの形状の古いタイプの鍵のようだ。だからと言って俺にこれを解錠できる技術はもちろんない。




「あ、支配人室にマスターキーがあるはずよ。新井くん持って来てくれるかしら?」




「ああ。わかったよ。取って来るよ」




 呂姫ちゃんにいいように使われているのが新井だ。なので文句も言わずエレベーターで1階に降りて行った。

 そしてやがて登りのエレベーターが7階に到着し、新井が姿を現すのであった。




「どれがマスターキーかわからないから、全部持って来たよ」




 そう言った新井の手には大きな金属製の輪っかに付けられた20本以上の鍵束があった。そして呂姫ちゃんに手渡したのだが、本人はどうやら面倒くさいようで俺に押し付けてきた。まあ、別にいいけどな。




「じゃあ、俺が試してみるぞ」




 そう宣言した俺は鍵穴に鍵束の端っこから順に試してみる。だがハズレばかりで奥まで差し込める鍵がなかなか見つからなかった。

鍵穴が現れたのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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