342話 予期せぬ攻撃なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ゴーレムですねっ」
「ストーンゴーレム確定」
「ふぉふぉふぉ。これを剣と槍で倒すのは難儀じゃのう」
そうなのだ。
このストーンゴーレムは全身が硬そうな岩なのだ。これじゃ剣で切っても槍で突いてもダメージを与えられそうにない。
臥留子ちゃんが創った異空間では手榴弾が存在したが、あれならなんとか倒せそうだ。つまり爆弾とか大砲とか爆発系の武器なら可能と思われるのだ。
だが、今俺たちの手元には集子ちゃんの剣と俺たち3人の槍しかない。刃物でどうこうできる相手なのだろうか?
そんなこんなを思っているとストーンゴーレムが動き始めた。ドシンドシンと足音だけでその重量がわかりそうなほどだ。だが動きは遅く歩みはゆっくりだ。
「とにかく一撃入れてみるか……」
俺はその速度から素早さは警戒することはないと判断し、一気に駆け寄った。
そのときだった。
ブウーンと唸りを上げてストーンゴーレムが右手でパンチを放ってきたのだ。
「あ、危ねえっ!」
俺は咄嗟に屈んでそれを躱す。そしてストーンゴーレムの右手が通り過ぎたときに立ち上がるとその胴体に槍を思いっきり突き出した。
――ガキンッ。
硬い音がした。硬い岩の胴体に弾かれたのだ。槍での攻撃はまったく通用しないことだけはわかった。
俺は慌てて間合いを取る。
「予想通りに硬いぞ。槍じゃ無理だ」
俺がそう叫んで恵ちゃん、秀子ちゃん、集子ちゃんに伝える。
その間にストーンゴーレムは俺を追い越して恵ちゃんたちに迫る。
「気をつけろ。足は遅いがパンチは速いぞ」
更にそう付け足しして伝言する。
すると剣や槍で身構える3女神たちの姿が見えた。
そしてその直後だった。
間合いに入ったストーンゴーレムが右手を大きく振りかぶりブウンと腕を振るったのだ。
だが、恵ちゃんたちはふわりと後方へ飛ぶ。どうやら俺の戦いを見ていてちゃんとストーンゴーレムの拳のことがわかっていたようだ。
……しかし、物事はそれで終わらなかった。いや、ストーンゴーレムの狙いは最初からそれだったのかもしれない。
「「「キャ~ッ……」」」
振り抜いたストーンゴーレムの右手には恵ちゃんの黄色いワンピース、秀子ちゃんの青色Tシャツ、集子ちゃんの海賊衣装が握られていたのだ。
で、見ると恵ちゃんも秀子ちゃんも集子ちゃんもすべての服がなくなっていたのだ。
「な、なんだって~……!」
すべての服を奪われて全裸になってしまった恵ちゃん、秀子ちゃん、集子ちゃんは両手で胸を隠してしゃがみ込んでしまっている。
当然、武器など構えていない。全員涙目でブルブルと震えているばかりだ。
「ゴ、ゴーレムですよねっ。どうしてゴーレムが私たちを裸にするんですかっ」
「奇々怪々」
「ふぉふぉふぉ。そんな設定にした記憶はないんだがのう」
恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら恵ちゃん、秀子ちゃん、集子ちゃんがそう答える。
俺はそんな彼女らをなるべく視界の隅に追いやりながら大声で尋ねるのであった。
「お、お前ら~! 一気に戦力ダウンじゃねえかよ! どうすんだ、これ」
「知りませんよっ。気がついたら脱がされていたんですっ」
「理解不能」
「ふぉふぉふぉ。後はお主に任せるのじゃ」
そんな無責任な発言を聞かされる。
だが、俺もなにもしない訳にはいかない。なんとかしてこの局面を打開しなきゃならないのだ。
ゴーレムにも脱がさられてしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。