340話 不意打ちで一気に倒せたのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
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「集子ちゃん。どうしてこの世界を創ったときにゴブリンの設定を変更しなかったんだ? 服を奪う。女性を襲う。この設定を止めなかったんだ?」
すると集子ちゃんはふと考え顔になってしばらく黙っていたが、やがて口を開く。
「ふぉふぉふぉ。ゴブリンのそんな設定、忘れておったわい」
なんてことだ。
まあ、元がジジイだからな。女性としての危機感が足りなかったのかもしれない。
それよりもだ。
俺は重大な問題を抱えることになったのだ。それは視界。恵ちゃんの膨らみかけの胸元。秀子ちゃんのささやかだが形の良い胸。そしてスレンダーなのに呂姫ちゃん並の実ったたわわ。それらが下着越しとはいえ見えてしまうのだ。直視していたら俺の理性がどうなるかわかったもんじゃない。
そのため俺は前方に出て、後ろを振り向かず宣言する。
「仕方ない。みんな服をこれ以上盗られないように慎重に攻撃するぞ」
「わかりました。槍でブスリですっ」
「必殺。許すまじ」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。これ以上は恥ずかしいからのう」
そして再び俺たちはそれぞれ1匹を狙って槍を身構える。俺は黄色いワンピースを抱えているゴブリンを敵と認定した。それは恵ちゃんが着ていたものに違いない。早く倒して返してやらねばと思ったのだ。
「……やっ!」
俺は目標を定めて槍を突き出す。だが、やはりゴブリンはするりと身を躱し俺の攻撃は不発に終わる。
そしてそのゴブリンだが俺の視界から完全に消え去っていたのだ。
……どこだ?
俺はぐるりと振り返る。するととんでもない光景が目に入ってきたのだ。
「「「キャーッ!!」」」
恵ちゃん、秀子ちゃん、集子ちゃんの悲鳴が上がる。それもそのはずだ。女神たちは上下の下着を盗まれて全裸になっていたのだ。
恵ちゃんがその幼さが残る身体の上を右手で下を左手で隠している。もちろん槍は地面に放りっぱなしだ。
そして秀子ちゃんもその柔肌の上を右手で下を左手で覆っている。そして新雪のような真っ白な肌の集子ちゃんも両の手を使って胸と大事な下を隠していた。
「「「「ギャギャギャ!!」」」」
その女神たちのあられもない姿を見てゴブリンたちは小躍りして騒いでいるのだ。左右の手に戦利品である服や下着を持って天高く突き上げて勝鬨の声を上げている。
まるで女神たちを囃し立てるように踊っているのだ。そう、俺に背を向けて……。
……待てよ。
俺は主に理性面から女神たちを直視しないようにしながら、ある考えが浮かんでいた。
今ならやれるんじゃね?
「ていっ! ていっ! ていっ! ていっ!」
俺はゴブリンたちに一刺しずつ攻撃を加えた。背中の真ん中をズブリと刺したのだ。肉に刺さる嫌な手応えを感じたが、今はチャンスなのだ。素早いゴブリンを仕留めるには今しかない。
「「「「グギャギャ……」」」」
コブリン4匹はうつ伏せに倒れた。どうやら倒せたようだ。そしてそのまま死骸は地面に吸い込まれていく。なので服と下着だけが残っていた。
「倒せたな」
俺は安堵のため息をつく。あの素早さなのだ。普通に戦っていたら全部を倒すのにどれだけ時間がかかるかわからないし、逆に俺たちがダメージを負ってしまう可能性も高かった。なのでこの不意打ちが成功したのは幸いだった。
隙をついての攻撃だったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。