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328/512

328話 もうひとりの秀子ちゃんなのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。



 

 そして3人が食事を終えた頃だった。

 恵ちゃんが秀子ちゃんに尋ねたのだ。




「秀子ちゃん。元の世界に帰れる方法ってわかりますっ?」




 すると秀子ちゃんは首を左右に振る。




「わからない」




 やはり恵ちゃんと同じようだ。臥留子ちゃんの創造した空間への脱出方法がわからないらしい。




「呂姫ちゃん、集子ちゃんと連絡はっ?」




「できない」




 うーん……。

 これも恵ちゃんと同じだ。

 これではこの再現された神武商店街一帯から出られそうにない。




 恵ちゃんの創った街からの脱出方法は恵ちゃんとキスすることだった。だとするとここでもそうなのだろうか?

 ……いや、違うな。なんでもかんでも同じ方法で問題が解決するとは思えない。




 俺がそんなことを考えていたときだった。

 ふいに秀子ちゃんが口を開き発言したのだ。




「実は困ったことがある」




「なんですかっ!? どんなことなんですかっ!?」




 恵ちゃんも脱出方法を知りたいのだろう。だからかその質問の声には少々必死さが混じっていた。




「ここにいるのは私だけじゃない」




 驚いた。

 これまで俺と恵ちゃんが散々探し回ったのに見つけたのは秀子ちゃんだけなのだ。他にも人がいたとは驚愕だ。




「他の人はどこにいるんだ?」




「他の人などいない」




「……はぁ?」




 俺は秀子ちゃんがなにを言っているのかわからなかった。だがその表情は真剣なので冗談や嘘を言っている風には見えない。




「え? じゃあ誰がいるんですかっ?」




 恵ちゃんも訳がわからないようで戸惑いながら尋ねている。




「私」




 ……ますますわからん。

 俺は混乱してきた。そして見ると恵ちゃんも同様のようである。




「来た」




 秀子ちゃんが俺たちの背後を指さした。

 するとそこにはなんと秀子ちゃんが立っていたのだ。

 似てるなんてレベルじゃない。正真正銘の秀子ちゃんだったのだ。




 ただし服装は違った。

 新たに現れた秀子ちゃんは白Tシャツにデニムのショートパンツ。そして被っているキャップは白色だ。

 ちなみに今まで俺たちと会話をしていた秀子ちゃんは黒Tシャツにキャップは黒だ。つまり色だけが違う。




「こ、これはどういう訳なんですかっ。秀子ちゃんが2人いるのですっ」




「実は双子だったってことか……?」




「「違う。どちらも私」」




 完全にハモって2人の秀子ちゃんたちがそう返事をするのであった。




「ええと、もしかしてこの世界を創ったら2人に増えちゃったとかですかっ?」




「「そう」」




 なんてことだ。

 住民はひとりも増えなかったのに、本人だけ増えちゃったって訳らしい。




「増えちゃったことでなにか問題があるんですかっ?」




 そう。それは俺も気になるところだ。

 実質無問題であればいいんだが、問題があったら困る。俺たちは元の世界に戻りたいのだ。




「「2人になったことでこの世界から出られない」」




「……なんだそれ?」




 たどたどしい口調で秀子ちゃんは説明してくれた。

 確証はないのだがどうやらどちらかが偽物で、その存在が無意識にこの世界の改変や消滅を邪魔しているらしいのだ。

 本人としては俺や恵ちゃんと合流できたので、この世界を終わらせて臥留子ちゃんの世界へ戻りたいとのことだった。


秀子ちゃんが2人なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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