325話 神武商店街に行こうなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして俺たちは学食に到着した。
もちろん無人だった。
だが給茶機の電源は入っていたので俺たちは機械の横に置かれているプラスチック製の湯呑み茶碗を取ってお茶を入れた。
そして席につく。
テーブルを挟んで向かい合わせに座る俺たち。
俺は恵ちゃんの屋敷で用意されたポロシャツ姿で恵ちゃんは朝食のときに着ていた白いドレス姿だ。
ドレスコード的に見て組み合わせがちぐはくな感じがした。
「はあ~。落ち着くな……」
「そうですねっ。身体を動かした後のお茶は最高ですっ」
俺たちはそうやってしばらくお茶をすするのであった。
そしておかわりを飲み干したときだ。
「あと調べていない場所ってどこがあるんだ?」
「体育館とか校庭でしょうかっ」
「だな。……じゃあ調べるか」
「そうですねっ」
俺たちはそう言って立ち上がった。
正直に言うとめんどくさい。だが、この無人の神武高校にいつまでもいる訳にはいかないのだ。
ちゃんとこの世界を創造した女神に会って元の世界へ帰る手がかりとかを入手したい。
それから俺たちは体育館に行った。
もちろん無人で誰の姿もない。ガランとしたものだ。
「はずれだな」
「じゃあ校庭に行ってみましょうかっ」
そしてその足でそのまま校庭へと向かう。
そこにも誰の姿もなかった。人のいない校庭はとにかくだだっ広かった。それだけだ。
「……なあ、女神はどこにいるんだ?」
「わかりませんっ。気配を隠しているんだと思いますっ。なので察知できませんっ」
これは困った。非常事態だ。
誰もいない学校で俺は恵ちゃんと2人で生きていくことになるんだろうか。
……いや、無理だな。
衣食住の住はいいとして、替えの服がない。そして水は水道から出るのはすでに調べていたが、学食が営業していないので食料がない。
なので俺たちはどうしてもこの世界を創造したと考えられる呂姫ちゃん、集子ちゃん、秀子ちゃんの3候補の最低1人には必ず会わなくちゃならないのだ。
「結局、学校は空振りだったってことか?」
「そうですねっ。誰とも会えなかったんですから、そう考えるしかないと思いますっ」
「振り出しに戻ったな。後は途中の住宅地を一軒一軒見て回るしかないか……」
「非常に効率が悪いですが、それしかないですねっ」
恵ちゃんはうんざり顔だった。きっと俺も同じような表情になっているんだろうな。
あの膨大な建物をすべて調べるなんて、できればやりたくないしな。
俺と恵ちゃんは神武高校を出た。
そして元来た道順に戻ろうとした。だがそのときふと周りを見てあることに気がついた。
「なあ、もしかして神武商店街があるんじゃないか?」
そうなのだ。
神武高校と神武商店街は割と近い。この異世界の広さがどれだけあるかはまだわからないが、通学路と高校が再現されているのなら商店街もあるんじゃないかと思ったのだ。
「その可能性はありますねっ。ぜひ行ってみましょうっ」
住宅地を一軒一軒探し回るよりは商店街の方がまだましだしな。
なので俺たちは神武商店街へと向かうのであった。
商店街に向かうのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。