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319話 違う世界なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。




 

「朝食はなににしますかっ」




「なんだ。朝食も選べるのか」




「もちろんですっ」




 そう言って恵ちゃんは俺にメニューを差し出した。だがそれは昨夜の夕食のときとは内容が異なっていて軽めの料理が多い。

 まあ、朝食だしな。




「私はこのモーニングセットにしますっ」




 そう言って恵ちゃんが指さしたのはベーコンエッグにサラダとトーストがついたファミレスの定番メニューだった。

 俺はメニューのページをめくりさっと目を通す。




「俺はこれだな」




「和食ですねっ。なんか大吉さんらしいですっ」




 俺が指さしたのは焼き魚に漬物、白米、味噌汁の組み合わせのメニューだ。

 まあ、これもファミレスの定番朝食メニューだな。




 俺はなんでも食べる方だが、選べるとなると和食になることが多い。

 やはり小さい頃から食べ慣れていて安心感があるからだ。




 そしてしばらく待つと澤井さんと河合さんがワゴンを押してきた。

 到着すると恵ちゃんの前にはベーコンエッグのセット、俺の前には和食のセットが置かれる。




「「ごゆっくりお召し上がり下さい」」




 ペコリと腰を折り、澤井さんと河合さんが後ろに下がる。いつでも声がかかればすぐに近寄れる位置に立っているのだ。

 今日は食堂から去らないのだな、と少し不思議に思う。




「では、いただきます」

「いただきます」




 恵ちゃんが食事の挨拶をするのを真似て俺もする。

 そして恵ちゃんはフォークとナイフ、俺は箸を持って食事を始めるのであった。




「おいしいですっ」

「ああ、美味いな」




 食事は美味かった。

 白米はホクホクしていたし、味噌汁の塩気もちょうどいい。そして焼き魚は塩サバだった。脂が乗って美味い。




 そして俺が食事を終えたときだった。見ると恵ちゃんも食べ終わっている。

 その恵ちゃんは居住まいを正して俺をまっすぐに見ている。




「大吉さんにお話がありますっ」




 なにか真面目な話のようだった。その眼差しは鋭い。




「な、なんだ?」




「どうしてですっ。どうして澤井さんか河合さんに”お手つき”してくれなかったんですかっ!?」




 いきなりとんでもないことを訊いてきた。

 ……そりゃ、報告されただろうな。

 俺は視線を澤井さん、河合さんに送った。2人は無言で微笑んでいる。

 いや薄く笑っている。

 なにやら含む所がありそうだ。




「俺は高校一年生なんだぞ。この年齢で子持ちになりたくないだろうが」




 俺は正真正銘の考えを述べた。

 澤井さんや河合さんが嫌いな訳じゃない。はっきり言えば俺には手が届かない系の美少女なんだぞ。

 だけど、それはそれ、これはこれだ。

 欲望に任せて”お手つき”なんぞしてしまったら責任取れないだろうが。




「大吉さん、今の状況がわかっていますかっ? ここは大吉さんが神武高校に通っている世界じゃないんですよっ」




「それはわかっている。臥留子ちゃんが創った異世界だろ?」




「違いますっ。それはドラゴンと戦ったゲーセンまでの話なのですっ。今、大吉さんがいるこの世界は私が創った異空間なのですっ」



恵ちゃんが創った世界なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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