305話 誰も見ていなかったからなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして俺はひとりとなってウィスキーの瓶を投げ続けた。
但し、続けたと言っても残数は少ないので適度に間隔を空けてだ。
ドラゴンがおねだりをして1本投げて、しばらく様子を見る。
そしてドラゴンが待ち切れないと身を捩り始めると追加でもう1本投げると言った塩梅だ。
そしてである。
今、ここには俺しかいないので他人の目がないことで非常に気になる要素がある。
それは俺の身体だ。
俺は今、ダイキチーナの身体なのである。
しかも全裸。
と、言うことはウィスキーを投げる度にこのたわわで真っ白な胸がユルンユルンと揺れるのだ。
それを俺はついつい見下ろしてしまう。
身体は美少女。だけど心は俺……。
なのでとっても気になるし、ついついそれを見てしまうのだ。
……う、ぐぐぐ。
その都度、俺は自分の理性が保てなくなってしまう。
そしてそんな合間だった。
ドラゴンにウィスキー瓶を投げて残りが1本になってしまったときだ。
ユルンユルンと弾む胸を思わず握ってしまう。
……や、柔らけえ~。
沈み込む指をゆるやかに押し返してくる弾力性。
俺はいよいよ変な気分になってしまう。
最初は片手で触っていたのだが、我慢しきれずとうとう両手で揉み始めてしまったのだ。
「グォォォ~……」
そんなときだった。
ドラゴンが酒が待ちきれなくなったようで身動きをして催促を始めたのだ。
……いかん。いろんな意味で危ないところだった。
俺はウィスキー瓶を拾い上げてドラゴンの口目掛けて投げる。
そして気づく。
残りのウィスキーがゼロになってしまったことに……。
……これ、やばくね?
ドラゴンを観察すると口を閉じてバリバリとガラス瓶を割る音と酔いで満足げに弛緩した表情を見せている。
しばらくは大丈夫だが、あとどれくらいこの状態が持つのかがわからない。
……早く、戻って来てくれないかな。
俺はウィスキーを長持まで取りに行った恵ちゃんたち4人を待ちわびる。
だが、やることがなくて手持ち無沙汰なので気づいたら両手で自分の胸を揉んでいた。
……気持ちええ。
そんなときだった。
「戻りましたっ。今度は持てるだけ持ってきたので50本はありますよっ。……って、ダイキチーナちゃん、なにやってるんですかっ!?」
「戻ったわよ。……加茂くん、なにしてるの?」
ちょうどいいタイミングなのか最悪なタイミングなのか意見が分かれるところだが、とにかくそんな場面で恵ちゃんたちは帰ってきた。
「うおっ……!」
俺は思わず自分の胸から両手を離す。
そして焦る気持ちのまま弁明を始める。
「こ、これはだな。……手持ち無沙汰だったんだよ」
「ダイキチーナちゃんっ。いや、大吉さんっ。その気になってくれたのは嬉しいのですが、自分で自分を妊娠させるのはさすがに無理ですっ。わからないのですかっ」
「変態ね。ドン引きするわ」
「ふぉふぉふぉ。元爺さんの儂でもそれはしないのう」
「不潔。破廉恥」
散々な言われようだった。
ま、とにかくだ。見ればドラゴンが身体を揺すって口を開けたり閉じたりを繰り返している。
これは我慢の限界ってやつだろう。これ以上待たせるとドラゴンブレスを発射されそうだ。
「ゴ、ゴホン。……と、とにかくだ。ウィスキーを投げるぞ」
「誤魔化しましたねっ。でも投げる必要はありますねっ」
「そうね。ブレスはごめんだわ」
「ふぉふぉふぉ。呑兵衛を待たせる訳にはいかないのう」
「攻撃再開。目標ドラゴンの口の中」
そして俺たち5人は新たに補充されたウィスキー瓶を次々と投げ始めるのであった。
見られてしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。