303話 効果抜群なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そしてゆっくりと開かれていくドラゴンの顎。
それこそ俺が手にしているウィスキー瓶くらいある巨大な牙がびっしりとある。
あれ目掛けて投げればいいのだろう。
そして、喉の奥が徐々に光りだしていく。
「今だ! 投げるぞ!」
「わかりましたっ。投げますっ!」
「了解よ。行くわね!」
俺と恵ちゃん、呂姫ちゃんが振りかぶった腕を大きく振り下ろす。
すると巨大であることで外しようがない的である大きく開かれたドラゴンの口に瓶が次々と命中したのである。
そしてガラス瓶はガシャーンと音を立てて割れるのがわかった。
「当たったぞ!」
「そうですねっ。でもまだウィスキーはたくさんありますよっ」
「そうね。もっと大量にぶつけた方が良さそうね」
俺たちはリュックから次の瓶を取り出すと、すぐさまドラゴンの口目掛けて投げる。投げる。投げる。
ガシャーンと派手な音を立てて瓶はすべて命中し、そして割れる。
そんなことを繰り返しているとドラゴンに変化があった。
喉の奥の光が徐々に暗くなり始めたのだ。
「……効果あったのか?」
「暗くなりましたねっ。効果あったのかもしれませんっ」
「少なくともドラゴンブレスは防げたようね。……もっと投げるわよ」
呂姫ちゃんの言葉に俺と恵ちゃんは頷いた。
そして3人で更に瓶を投げるのであった。
ちなみに俺たち3人が瓶攻撃を始めたときから、集子ちゃんと秀子ちゃんは攻撃を一旦中止している。
それはウィスキー瓶攻撃の効果を確認するためだ。
だけどドラゴンの予期せぬ攻撃には備えてか、身構えだけはしてくれている。
ガシャーン! ガシャーン! ガシャーン!
またしても全弾命中だ。瓶がドラゴンの口の中で次々に割れる。
そしてそんなときだった。
連続してのウィスキー瓶攻撃を受けたドラゴンに変化が現れたのだ。
長い舌を出したり戻したりしながら口を開けたり閉じたりを繰り返し始めたのだ。
そして目をうっすらと閉じている。
「……なんか変だな。なにが起こってるんだ?」
「……よくわからないんですけど、味わっている感じがしますっ」
「そうね。なんかウィスキーの味を確認している感じだわ」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。あれは酒を楽しんでいるように見えるのう」
「効果あり。攻撃続行を望む」
そうなのだ。
あれはどう見てもウィスキーの味わっているにしか見えない。
目まで細めて満足げに咀嚼している感じ……。まるで酒を舌で転がして味わいを楽しんでいるように思えるのだ。
味を楽しんでいるようなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




