302話 ウィスキー作戦開始なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「とにかく飲ませるってことは口に入れなくちゃならないだろうな」
「そうですねっ。でも近寄ってお酌するとかは無理そうですっ」
「そうね。あのびっしり生えた牙があるんだから当たれば瓶は割れるわよ。だから口に投げ入れるってのはどう?」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。それ以外方法はなさそうじゃのう。上手く口を開いてくれればよいのじゃが」
「ドラゴンブレスの発射用意のとき」
なるほど。
俺は納得した。確かにドラゴンブレスを発射する準備段階でドラゴンは口を大きく開ける。そのときを狙うのが良さそうだ。
「だがどうする? 待っていてら、ドラゴンブレスをしてくれるのか?」
「……うーん。どうですかねっ。今までの様子から考えると私たちの攻撃を受け続けているときに発射してますねっ」
「そうね。なら様子を見ながら攻撃するのはどうかしら?」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。攻撃力が高い儂と秀子だけが攻撃して、残りの3人は瓶を投げるのが良いかのう」
「その意見に同意」
作戦は決まった。
確かに攻撃力が高いのは集子ちゃんの手榴弾と秀子ちゃんのミニガンだ。後の攻撃は賑やかし程度だしな。
特に呂姫ちゃんのスタングレネードなど目眩まししか効果がない。
ちなみにその話し合いのとき、俺はそっぽを向いている。なんせ恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃん、秀子ちゃんは全員が美少女でしかも全裸なのだ。とてもじゃないが直視なんてできない。
更に言えばだが、俺は俯いていない。
俯けば俺、つまりダイキチーナのたわわな胸を見ちまうことになるからな。
自分の身体を見るのは罪にはならないだろうけど、見てしまえば俺は理性を失ってしまう可能性があるからだ。
まったく10代男子の理性は、まったくもって脆弱だ。
「じゃあ、攻撃開始とするか」
ちょうどいい感じの位置に戻って来たドラゴンを見て俺は言う。
「わかりましたっ。準備おっけーですっ」
「私もおっけーよ」
俺と恵ちゃん、呂姫ちゃんはリュックから取り出したウィスキーの瓶を手に持つ。
そして集子ちゃんと秀子ちゃんは攻撃を始めるのであった。
――ドッカーン!
――ズドドドドド!
手榴弾とミニガンがドラゴンの顔面に炸裂する。
やはりこの2人の攻撃は強烈だ。ドラゴンがのけぞって嫌がる素振りを見せている。
そして攻撃の手が少なくなったのか巻き起こる煙も前よりも少ない。
これならドラゴンの様子を観察することができるな。
そしてある程度の攻撃が通ったときだった。
ドラゴンの顔の鱗は剥がれ出血も始まっている。
そのときだった。
ドラゴンが天井近くまで首を持ち上げたのだ。
「そろそろか?」
「そうですねっ。ドラゴンブレスの準備だと思いますっ」
「そろそろ行くわよ」
俺と恵ちゃん、呂姫ちゃんは利き腕にウィスキーの瓶を持ち振りかぶるのであった。
酔っ払い作戦開始なのです。(`・ω・´)∩
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私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。