301話 討伐方針が決まったのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「……いてて」
俺はふっ飛ばされて着地した後、両手を床について立ち上がる。
どうやら身体にダメージはないようだ。
「……そ、その格好はっ!」
「またね。そう来たのね!」
「ふぉふぉふぉ。これで同類じゃのう」
「全員同じ。これで恥ずかしくない」
恵ちゃんたちが俺を見てそう言う。
俺はなんのことかと思い、自分の身体を見下ろした。
「――な、なんじゃこりゃ~~~!」
俺の胸には形の良いたわわがあり、そして金色の前髪がはらりと垂れていた。
も、もしかして……。
「ダイキチーナちゃんなのですっ」
「まさか加茂くんを全裸にしても見る価値なしと臥留子は判断したのかしら?」
「ふぉふぉふぉ。服がなくなっただけじゃなく身体も入れ替わったのう」
「戦闘力に劣化なし。なので無問題」
そうなのだ。
俺はドラゴンブレスの直撃を受けて服がすべてなくなっただけじゃなくて、ダイキチーナの身体になっていたのだ。
しかも……全裸。
……う、ぐぐぐ。
自分の胸を見下ろしていたら変な気分になってきた。
自分の身体なのに理性がどうにかなってしまいそうである。
なので俺は強い意思を持って首を上げる。身体は見ないことに決めたのだ。
そして決意する。
ドラゴンブレスを食らう原因となった、あのときの閃きのことをみんなに伝えようと考えたのだ。
「聞いてくれ」
俺は恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃん、秀子ちゃんの顔を順に見てそう口を開いた。
「そこにリュックがある。その中身を使えないか?」
俺が指差す場所には俺、恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんの4人で背負ってきたリュックがまとめて置いてあった。
「えっ、お酒をですかっ?」
「ウィスキーよね。それをどう使うの?」
「ふぉふぉふぉ。ここで飲むのかのう。まあ、それも一興じゃのう」
「意味不明。理解不能」
俺はここで説明をした。
それはレイスにスタングレネードが有効だったときのことだ。
「……ドラゴンに出くわす前の長持ちでウィスキーを見つけだんだ。だとしたらこれがドラゴン討伐の鍵になるんじゃないか?」
「なるほどですっ。試す価値はあるかもしれませんっ」
「……でも、実際どうするの? まさか飲ませるの?」
「ふぉふぉふぉ。案外酒が効くやもしれぬのう。龍やオロチは酒好きじゃからのう」
「西洋ドラゴンが酒好きかは不明。でもやる価値はある。どうせ拾った物」
ここで基本方針は決定した。
試しにドラゴンにウィスキーを飲ませてみることになった。
……問題はどうやって飲ませるか、だ。
お酒を飲ませてみよう、なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。