300話 一瞬の判断ミスなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「正直に言いますっ。……わかりませんっ」
「今までの攻撃でもダメージは通っているのよね。でも……」
「ふぉふぉふぉ。回復されてしまうからのう」
「急所は顔面。なのでやり方は間違ってない」
そうなのだ。
秀子ちゃんが言う通り、ドラゴンの急所が顔面であることには間違いない。
背中とかはぜんぜんダメージが入らなかったしな。
だけど呂姫ちゃん、集子ちゃんが言う通り回復されてしまう。ダメージが入るより回復量の方が多いのだ。
なので結果的に倒せていない。
「グガアァァァ~!」
そうこうしているうちにドラゴンが方向転換して戻って来た。
そして俺たちはドラゴンを観察する。
「やっぱりな……」
「駄目ですねっ。また回復されてしまっていますっ」
「血は止まっているし、剥がれた鱗も元に戻ってきているわ」
「ふぉふぉふぉ。ほとんど元通りじゃのう」
「ほぼ全回復。またやり直し」
そうだった。
またしても顔面の傷はほぼ完治していたのだ。
「でも、やるしかないんだろ」
「そうですねっ。やるしかありませんっ」
「そうね。また攻撃しましょう」
「ふぉふぉふぉ。そのうち攻略方法もわかるじゃろ」
「再度攻撃。なんどでも攻撃」
そして俺たちはまたしても攻撃を始めるのであった。
俺のアサルトライフル、恵ちゃんのショットガンが火を吹き、呂姫ちゃん、集子ちゃんのスタングレネードと手榴弾が顔面で爆発し、秀子ちゃんのミニガンが野太い射撃音を鳴らせながら弾丸を発射させる。
――ダダダダダ。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ。
――ドッカーン!
――ドッカーン!
――ズドドドドド。
それらは外れることなくドラゴンの顔面に命中する。
ドラゴンは苦悶の表情を浮かべるが、しだいに発生したもうもうたる煙で見えなくなる。
「これでまたしばらくするとドラゴンブレスのパターンなんだよな」
「そうですっ。天井付近が明るくなったら要注意ですっ」
「今度はもっと速く逃げましょう! もう一回直撃されたらマズいもの」
「ふぉふぉふぉ。ゲームオーバーは嫌じゃのう」
「光が見えたら、即、退避。これ重要」
そんなときだった。
煙で視界が悪い中、天井付近が明るくなったのだ。
「来たぞ!」
「退避ですっ」
「わかってるわ!」
「ふぉふぉふぉ。さっさと逃げるぞい」
「走ったら、即、伏せる」
そして俺たちは光が明るくなる前に退避を始めた。
互いにぶつからないように今度は注意しながらだ。
だが、そんなときだった。
俺の眼の前に4つのリュックが置かれているのが見えた。
……あ、もしかして。
俺はふと閃いた。だが、それが悪かった。
その一瞬の思考が行動を鈍らせたようで俺は伏せる直前に背中にものすごい熱さを感じてドンと前方に飛ばされたのであった。
なにか閃いたのです。が……。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。




