299話 同時に食らってしまったのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
それからしばらくしたときだった。
もうもうとした視界の中で天井付近が明るく光り始めたのだ。
「ヤバイぞ」
「そうですねっ。ドラゴンブレスの気配ですっ」
「そうね。じゃあまた後ろに避難しましょう」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう」
「了解。一斉に退避」
俺たちは攻撃を中断して全員で後方へと走った。
……そのとき思った。
「なあ、俺と恵ちゃんと呂姫ちゃんはともかく、集子ちゃんと秀子ちゃんは避難しなくてもいいんじゃないか?」
「そう言えばそうですね。もう裸になってますよねっ」
「確かに。……もうドラゴンブレスで全裸にされることはないわよね」
すると並んで走っている集子ちゃんと秀子ちゃんから発言がある。
「ふぉふぉふぉ。わからんぞい。2度目は死亡してしまうかもしれんしのう」
「臥留子の性格からして死亡はない。だけどゲームオーバーの可能性あり」
なるほどな。
1度目は服だけだけど2度目はゲームオーバーで退場の可能性もある訳か。納得だ。
「それはあり得ますねっ。だったらやっぱり避難した方がいいですっ」
「ここまで来て退場は辛いわよね。やっぱり集子も秀子も念の為避難した方がいいわね」
そんなときだった。
後方が熱くなったのだ。おそらくドラゴンブレスが発射されたのだろう。
「みんな伏せろ!」
「「「「了解」」」」
そして俺たちは一斉に床に伏せようとした。
そのときだった。
「ああっ。呂姫ちゃん避けてくださいっ!」
「ちょ、ちょっと神子恵、邪魔よ!」
視界の隅で恵ちゃんと呂姫ちゃんがぶつかるのが見えた。
ゲーム筐体が通路に飛び出していたのでそれを避けようとして2人は互いにぶつかってしまったようだ。
そして床に伏せた俺たちの頭上をゴウと唸りを上げて炎の塊が通り過ぎて行った。
「「キャ~!」」
2人の悲鳴が聞こえた。
見ると思った通りに恵ちゃんと呂姫ちゃんだった。
互いにぶつかってしまったことで床に伏せるタイミングが遅れたことでドラゴンブレスの直撃を受けてしまったのだ。
そして……。
全裸だった。
「み、見ないで下さいっ! マジに恥ずかしいですっ」
「ちょ、ちょっと見ないでよ! ハズいでしょ!!」
そこには2人の美少女の裸体があった。
ひとりは小柄でスレンダー。ほんのりと膨らんだ胸の恵ちゃん。
そしてもうひとりは金髪碧眼でグラマラスなボディの呂姫ちゃん。
その2人がすべすべ真っ白な素肌を見せて上下を手で隠して立っていた。
いや、それだけじゃない。
その近くで床から立ち上がった集子ちゃんも秀子ちゃんなのだが、その2人も全裸なのだ。
なので俺以外と言うか、女性全員が生まれたままの姿になってしまったのだ。
……う、ぐぐぐ。
俺は彼女たちを直視できなかった。
理性が保てるか、かなり不安だからだ。
……残るは俺だけか。
そう思い俺は背後のドラゴンを見る。すると視界はかなり戻っていてドラゴンがこちらに背を向けている姿が見えた。
おそらく回復のために一旦後方へ下がったのだろう。
「なあ、ヤツはどうすれば倒せるんだ……?」
俺は全裸になってしまった4人の美少女たちにポツリとそう問うのだった。
女性全員が全裸になってしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。