297話 再びのブレスなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ふぉふぉふぉ。今のうちだのう」
集子ちゃんが手榴弾を投げた。
するとそれに合わせるように秀子ちゃんもミニガンをぶっ放す。
――ドッカーン!
――ズドドドドド!
視覚と聴覚を奪われたドラゴンの顔面に攻撃が集中する。
「俺たちも行くぞ」
「そうですねっ」
「私もスタングレネードで攻撃するわ」
俺はアサルトライフル、恵ちゃんはショットガン、呂姫ちゃんはスタングレネードでそれぞれ攻撃を加えた。
――ダダダダダ。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ。
――ドッカーン!
閃光と爆音、そして多数の弾丸の着弾がドラゴンを襲う。
だがもうもうとした爆煙で効果ははっきりとわからない。
「手を止めない方がいいぞ」
「そうですねっ。よく見えませんがこのまま押し切っちゃった方がよさそうですっ」
「そうね。とりあえず攻撃あるのみだわ」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。ありったけをぶつけるのが良いのう」
「攻撃続行。倒すまで撃つべし」
俺たちはそのまま攻撃を続けた。
もう煙でドラゴンの巨体のほとんどが見えない。
なのでたぶんあそこ辺りが顔面だろうと思われる箇所を狙い続けている。
「グガアァァ!」
雄叫びとも悲鳴ともとれるようなドラゴンの叫び声が聞こえてきた。
そしてもうもうたる爆煙の中でなにかが光ったような気がした。
「ん? なんだ?」
「今、なにか光りましたよねっ」
「確かに見えたわ」
「ふぉふぉふぉ。光ったのう」
「警戒して。ブレスかも」
全裸のままミニガンをぶっ放している秀子ちゃんがそう言った。
俺たちの中で緊張が走る。
そしてその光だが、また見えた。と、言うよりもだんだん大きくなって行くのがわかる。
「やばい! あれはドラゴンブレスだ!」
「そうですねっ。避難しましょうっ」
「後ろへ逃げるわよ」
「ふぉふぉふぉ。一時退却じゃのう」
「後方へ避難。そして伏せる」
俺たちは攻撃を止め、後ろへと走りだした。
すると光が一瞬大きくなるのがわかった。
「来るぞ!」
「了解ですっ」
俺たちは一斉に床に伏せた。
するとまたしてもその頭上を炎の塊がゴウッと鳴りながら通り過ぎるのがわかったのだった。
「キャ~!」
そのとき誰かの悲鳴が聞こえたのであった。
そして見回す。
すると誰が犠牲になったのかすぐにわかった。
集子ちゃんだった。
集子ちゃんは右手で胸を隠し、左手で大事な下を見えないように守っている。
つまり、今度のドラゴンブレスは集子ちゃんを直撃したのだ。
そして前回の秀子ちゃん同様に服のすべてが失われたのだ。
ただ身体には異常はないようだ。
やはりこのドラゴンのブレスは服だけを燃やす効果があるようだ。
「……ふぉふぉふぉ。ハズいのう。あんまり見ないでくれんかのう」
横座りで身体を隠している集子ちゃんが俺を見て言った。
「ああ、すまん」
俺は視線を集子ちゃんから逸らす。
だが、腰まで伸びたシルクのような白髪。呂姫ちゃんに負けないたわわな胸。色素が薄いことで白磁のように真っ白な肌。
チラッと一瞬見ただけでも十分目に焼き付いてしまったのだ。
やれやれ。俺はまた理性と戦わなくてはならなかった。
今度は集子ちゃんが狙われたのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。