293話 集中砲火なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
やがて晴れる爆煙。
するとそこには嫌がって首を左右に振るドラゴンの姿があった。
「効いてるには効いているようだな」
見ると顔の数カ所から出血が見られる。
「でもっ、かすり傷ですねっ」
「そうね。それほどのダメージじゃないわね」
「ふぉふぉふぉ。続けて爆発させればそれなりのダメージが入るのかのう」
「あの程度の傷では無効。すぐに回復される」
秀子ちゃんの説明が入る。
ミニガンでもあの程度のダメージは入れられるらしい。
だが、数分後には出血も止まり傷口も塞がってしまうと言うのだ。
「さっきもそうだった」
話を聞くに、俺たちがここに来た時に秀子ちゃんの攻撃を浴びて顔面にダメージを受けたドラゴンが一度退却したのは目撃した。
だが戻って来たときには顔に傷は残っていなかった。
確かにそのときのドラゴンは無傷だった。
どうやら一定時間退却すると回復が可能なようだ。なんともやっかいである。
「……でもまあ、やるしかないんだよな」
「そうですねっ。塵も積もれば山となりますっ」
そう言った俺と恵ちゃんはそれぞれアサルトライフルとショットガンを連射する。
――ダダダダダ。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ。
今度はダメージがある顔面を狙って射撃をする。
もちろん的が大きいので全弾命中だ。
するとそれが鬱陶しいのかドラゴンが首を左右に振って逃れようとする。
「グゴオォ~!」
唸り声も上げる。
深いダメージは与えられないが、多少は効いているようだ。
もしかしたら傷口に当たった弾が効果を上げているのかもしれない。
「ふぉふぉふぉ。儂もやるかのう」
「私もやる」
そう言った集子ちゃんは手榴弾を、秀子ちゃんはミニガンをぶっ放した。
――ドッカーン!
――ズドドドドド!
手榴弾は顔面近くで爆発し、ミニガンの濃密な射撃も顔面を捉える。
「……私は見学ね」
やることのない呂姫ちゃんは体育座りで見物しているのであった。
そして攻撃の一段落が終わった。
様子を見るために射撃を中止した俺たちはドラゴンの様子を観察する。
すると変化があった。
「ダメージ、入ってるな」
「そうですねっ。効いてますねっ」
「そうね。これは効いているわね」
「ふぉふぉふぉ。このまま押せばいけるかのう」
「戦果あり」
見ると顔面を中心にかなり出血しているドラゴンの姿があった。
目、鼻、口は無傷に見えるが、顔まわりの鱗が多数剥がれ落ちているのだ。
集子ちゃんの言葉ではないが、案外このまま押せば倒せるのではないのだろうか……。
攻撃は効いているようです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。