291話 ここに来た経緯なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
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俺たちはしばらく様子を見た。
今すぐ参戦しなくても秀子ちゃんが劣勢になるような感じではなかったからだ。
そして顔面に集中砲火を浴びていたドラゴンが嫌がる素振りを見せて、後方へと距離を取るのがわかった。
そこで俺たちが話しかけた。
「秀子ちゃん、なぜ君がここにいるんだ?」
「そうですっ。いつどこでこの臥留子ちゃんの空間に入ったんですかっ?」
「そうね。今まで気配はなかったし、謎だわ」
「ふぉふぉふぉ。しかもなぜ戦っておるのかのう?」
俺、恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんから当然の質問が出た。
すると振り返って俺たちの姿を確認した秀子ちゃんが口を開く。
「憶えていない。いつの間にかゲーセンにいてゲームをプレイしてた」
秀子ちゃんの説明によると気がついたらこのゲーセンにいたそうだ。
それでひとりでゲームをしていたら、いきなりドラゴンが現れて襲われたそうだ。
そして足元に落ちていたミニガンで応戦していたらしい。
「あ……。臥留子に呼ばれた気がする。みんなが集まるから私の家に来て欲しいと電話がかかってきたんだった」
「どういうことだ?」
「正確にはわかりませんっ。ですが秀子ちゃんはこの世界にいきなり召喚された訳じゃなくて、私たちみたいに呼ばれたみたいですねっ」
「集子と同じね。ひとりで呼ばれたのよ。私や加茂くん、神子恵のように3人で入って来たとは違うようね」
「ふぉふぉふぉ。なら儂と同じじゃのう。儂も屋敷に入ってからの記憶がどうも曖昧なのじゃ」
どうやら秀子ちゃんは集子ちゃんと同じ様にひとりで臥留子ちゃんの祠に来たらしい。
そして内部に入ったのだが、その後の記憶がはっきりしないようだ。
「臥留子の目的は不明。だけど今やるべきことはドラゴン討伐」
そう宣言した秀子ちゃんはミニガンを構え直す。
「その銃なら倒せるのか?」
「わからない。ドラゴンの鱗は固い。だからたくさん命中させないと傷つけられない」
俺の問いに秀子ちゃんが答える。
どうやらこの強力なミニガンでも簡単にはドラゴンを倒すことはできないようだ。
「俺たちの武器はもっと非力だぞ」
と、言って俺はアサルトライフルを秀子ちゃんに見せる。
「私のは命中率は高いですっ。でも散弾なので威力は弱いですっ。ドラゴンに効くとは思えませんっ」
そう言って恵ちゃんは手にしたショットガンを見せる。
「……私なんか打撃武器よ。接近しなきゃ使えないし、使えたとしてもこんな小さな斧なのよ。ダメージ入るかしら?」
呂姫ちゃんは持ってる片手斧を見せる。
「ふぉふぉふぉ。儂の場合は爆発じゃからのう。弱点にうまく使えばダメージは入るかもしれんのう」
そう言って集子ちゃんは携帯している手榴弾を見せるのであった。
「集子の手榴弾は使える。後の武器は弱点を見つけてから」
秀子ちゃんは冷静にそう告げるのであった。
秀子ちゃんも呼ばれて来たようです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。