284話 完全体の誘惑なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
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そして更に変化があった。
光に包まれた身体がムクムクと大きくなり始めたのだ。
身長が呂姫ちゃんや集子ちゃんと同じくらいになったのだ。
やがて光は明るさを失い消滅する。
するとそこには成長した恵ちゃんの姿があった。
体育祭の二人三脚走で俺と肩を並べたときに見せた、あの高校生サイズに成長した恵ちゃんだったのだ。
艷やかな黒髪は腰まで伸びていて、女っぽさが増している。
そして元の面影を残したまま顔つきも年齢相当の大人っぽさが感じられる美少女。
そしてそしていちばんの違いは胸だった。ささやかな膨らみ程度だったものが大きくたわわになっている。
そのサイズは呂姫ちゃん、集子ちゃんと比べて遜色ない。
……う、ぐぐぐ。
完全に俺の好みだった。
顔、スタイル、髪、そして笑顔。
それらがこれこそが俺の好みの少女だと伝えてくる。
「いやぁ~っ! み、見ないでください~っ」
本物の幼い恵ちゃんが俺の背後に周り、俺の両目を両手で塞いだ。
だが、その指の隙間から成長した恵ちゃんの一糸まとわぬ姿が見えてしまっている。
「加茂くん。チャンスよ。神子恵ならば、そもそも子宝を望んでいるんだから!」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。この神子恵ならば男性の欲望の対象じゃのう」
呂姫ちゃんと集子ちゃんが自分たちのコピーで恵ちゃんにいじられたことに対抗してか、ここぞとばかり俺を煽る。
俺はと言えば、気がつけば力付くで恵ちゃんの両手をほどき、恵ちゃんもどきをガン見してしまっている。
いけない、いけないとは思うのだが俺の理性はどうにかなってしまっているようだ。
「大吉さんっ、どうか欲情しないでくださいっ。私と大吉さんは神と氏子の関係なんですっ。どうにかしちゃいけない関係なんですよっ……」
恵ちゃんはそう言う。
だが眼の前の恵ちゃんもどきはすでにショットガンを手放して、髪をかき上げウィンクして俺に手招きをするのだ。艷やかな長い髪、たわわで形の良い胸、くびれた腰、なだらかな曲線を描いた下腹部、そして折れそうなほどに細くて長い手足。
あれは俺の好みの完全体なのだ。
俺はその誘惑に耐えられるのか……?
すでに俺の一部は理性と裏腹に反応しそうになってしまっている。
このままでは頭の中が真っ白になって、俺は恵ちゃんもどきに襲いかかってしまいそうだ。
「さあ、神子恵のコピーが誘ってるわよ」
「ふぉふぉふぉ。あれは間違いなく誘惑してるのう。迷う必要はないのう」
呂姫ちゃん、集子ちゃんの二人の女神が悪魔の囁きを俺の耳元で呟くのであった。
完全なる好みからの誘惑なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。