282話 残敵はひとりなのです。
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ま、まずい。
俺の理性はそろそろ限界に近い。
今にもフラフラとダイキチーナに近寄ってしまいそうだ。
あれはあれで俺の好みなのだ。
元が自分とわかっていても、男子高校生である俺にはその裸体は目に毒なんてレベルじゃない。
触れてみたい。触ってみたい。ギュっと抱きしめたい。
は、いかんいかん。
あれを襲うなんてのは近親相姦のレベルじゃねえ。
本人相姦じゃねーか。
……う、ぐぐぐ。
俺は深い呼吸を繰り返し、なんとか意思を維持することに努める。
だがそんな俺をあざ笑うかのようにダイキチーナは髪をかきあげ俺にウィンクをする。
そして床に座って手招きしている呂姫ちゃんもどき、集子ちゃんもどきの横に座って胸を隠さずに手招きをするのだ。
……全裸の美少女が3人もそろってしまった。
「大吉さん、もう遠慮なんていりませんよっ。ダイキチーナちゃんが大吉さん本人だって大きな問題じゃありませんっ。むしろ本人なので訴えられることもなく後腐れなくできるじゃありませんかっ。それに呂姫ちゃんもどきも集子ちゃんもどきも向こうから意思を示しているのでお手つきするのは無問題ですっ。……はう、……痛いです」
俺は恵ちゃんの頭に手刀を落とした。
すると恵ちゃんは蹲って頭を抱えている。
「どうしてお前は俺に悪事はさせようとするんだ」
「子宝の神だからですっ。当たり前ですっ」
すでに完全に開き直っていた。
己の役割に忠実なだけなのだろう。
だが俺はこの年齢で父親になるつもりはない。
そんなときだった。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ。
俺に向かってショットガンが発射されたのだ。
見ると恵ちゃんもどきが射撃をしていた。
俺の身体に散弾がプチプチと当たる。
痛くはないが鬱陶しい。
「後は神子恵もどきだけよ。さっさと終わらせて」
「ふぉふぉふぉ。残りはひとりじゃのう」
呂姫ちゃんと集子ちゃんがそう指摘する。
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ。大吉さんが攻撃したら、あの私のコピーは……」
そう言いながら恵みちゃんが俺を見る。
するとズイと身を乗り出して呂姫ちゃんが発言する。
「あんたも裸にされるのよ。当たり前でしょ」
「ふぉふぉふぉ。自分だけ逃げようとしても道理ではないのう」
まあ、確かに正論だ。
俺たちは先に進まなきゃならない。
なので、そのためにはこのもどき軍団を完全撃破しなくちゃならないのだろう。
「よし、撃つぞ」
「待ってくださいっ……」
恵ちゃんの悲痛な声が響くのであった。
あとはひとりなのです。(`・ω・´)∩
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私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。