279話 呂姫ちゃんもどきの異常な行動なのです。
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「ちょっと待て! いつの間にか相手が入れ替わっているぞ」
そうなのだ。
俺はダイキチーナと戦っていたはずなのだ。
だが、煙で視界が遮られているうちに戦っている相手が代わっていたのだ。
そして俺の相手は呂姫ちゃんもどきになっていたのだった。
斧を手にしていたのでそうだろうな、と思ったのだが煙が晴れてきたことで相手がはっきり呂姫ちゃんもどきだとわかったのだ。
「ああっ。私の相手は集子ちゃんもどきですっ」
「私の相手はダイキチーナになってるわ!」
「ふぉふぉふぉ。儂の相手は神子恵もどきになってるのう」
恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんがそれぞれ報告してくる。
どうやら全員相手が入れ替わったようだ。
それがなにを意図するのかはわからないが、相手側が攻撃を始めたので応戦するしかない。
――ペチペチ。
俺に向かって2本の斧を振り下ろす呂姫ちゃんもどきの攻撃が始まった。
全然痛くはない。
だけどその鬼気迫る表情が怖い。
俺は距離を取り、アサルトライフルをぶっ放す。
――ダダダダダ。
呂姫ちゃんもどきが被弾した。
すると身につけている下着がどんどん千切れていく。
そして……。気がつけば全裸になってしまった。
「キャ~……!」
悲鳴が上がった。
だがそれは呂姫ちゃんもどきじゃなくて、呂姫ちゃん本人のものだった。
「ちょ、ちょっとなんてことしてくれるのよ! ハズいでしょ! えっち、見ないでよ!」
そうは言うのだが、呂姫ちゃんもどきは全然戦意が衰えてなくて斧2本をどんどん打ち込んでくる。
「……見るな、って言っても、これは無理だ」
俺は距離を取ると再びアサルトライフルを身構える。
するとそのときだった。呂姫ちゃんもどきが両手に持っている斧をポイポイと投げ捨てたのだ。
そして右手で胸を隠し、左手で大事な下の部分を隠すと首を傾げて俺にウィンクしてきたのだ。
「……な、な、な」
意味がわからない。
俺はアワアワしてしまう。なにをすれば良いのかわからないのだ。
少なくとももう呂姫ちゃんもどきに敵意はなく、戦うつもりがないのだけはわかる。
そして慌てふためく俺をよそ目に呂姫ちゃんもどきは床に腰を降ろし、左手で俺を手招きしたのだ。
光の粒をまぶしたかのように輝く金髪。真っ白な素肌。たわわな胸。くびれた腰。そしてふくよかな下腹部。スラッとのびた細い脚。
天使のような美少女の全裸がそこにはあった。
そんな美少女が俺を手招いているのだ。
……ま、まさか、誘っている……?
そう見えた。
俺には呂姫ちゃんもどきが俺を誘惑しているようにしか見えない。
「……ちょ、ちょっとコピーの分際でなんてことしてくれるのよ! そ、それ私の意思じゃないからね! 私はそんなふしだらじゃないからね!」
本物の呂姫ちゃんの叫びが響き渡るのであった。
もどきが誘惑してくるのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。