274話 正気と服を取り戻したのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
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すると素っ裸のまま正座している恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんの姿が見えた。
だがさっきまでの放心していた状態ではなくなっていて、辺りをキョロキョロと見ている。
「大丈夫か?」
俺がそう声を掛けると三女神たちは俺を見た。
そしてハッとした顔になると自分の身体を見下ろす。
「な、なんなんですか~っ!」
「こ、これはなんなの? ちょっと加茂くん、見ないでよ!」
「ふぉふぉふぉ。これは困ったのう」
自分たちが全裸であることに今更ながら気づいたようだ。
右手で胸を左手で大事な下の部分を慌てて隠す。
恵ちゃんの胸はささやかなのでしっかり隠せている。
だけど呂姫ちゃんと集子ちゃんはたわわなので、ギリギリでしか隠せていない。
そしてだが、やがて辺りの床にポイポイと脱ぎ捨てられているのが自分たちの服だとわかったようで、今度は慌てて取りに行く。
「ちょ、ちょっとそのキャミソールは私のですっ。呂姫ちゃん、取らないでくださいよっ」
「ちょ、ちょっと金尾集子。そのブラは私のよ。間違えないで」
「ふぉふぉふぉ。慌ててしまうのう」
俺は直視したらマズいんだろうな、と思ったので視線をぼんやりと逸らす。
視界の隅の方で恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんたちが自分の下着を見つけて着ていた服も見つけて間違って手にしてしまったものは交換しながら、いそいそと服を身に着けていく。
「……もう大丈夫ですっ」
「ちゃんと着られたわ」
「ふぉふぉふぉ。これで恥ずかしくないのう」
そう声がしたので俺は視線を戻す。
するとそこにはちゃんと着衣した三女神たちの姿があった。
「……要するにレイスに取り憑かれて裸になってしまったのですねっ」
「攻撃が効かないとわかった瞬間に服を脱いで正座させるなんて……。信じられないことをしてくれたものね」
「ふぉふぉふぉ。取り憑かれた瞬間から記憶がなかったのう。まさかこんなモンスターが現れるとは想像もしなかったぞい」
俺は説明をした。
裸正座していたのはすべてレイスが原因だと言うことだ。
決して俺が脱がしたんじゃないことをしっかり納得してもらわないと困るからな。
そしてレイスにはスタングレネードが有効だったこともだ。
まだ数本手元に残っている現物を見せながら説明した。
そしてこれからは手に入れられそうな物はどんどん手に入れていく必要があると伝えたのだが、今回のスタングレネードのことがあるのでみんなすぐに納得してくれるのであった。
「じゃあ、先に進むか」
「そうですねっ。あ、私もスタングレネードを1個持ちますよ」
「そうね。私も持っていた方がいいわよね」
「ふぉふぉふぉ。儂も持っている方がええのう」
本人たちが望むので俺は余っているスタングレネードをそれぞれに渡すのであった。
そして俺たちは先へと進むのである。
やっと正気に戻れたのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。