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271/514

271話 そして俺だけになってしまったのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。


 

 そして俺は立ち上がり、恵ちゃんは手を離す。

 見回すと全裸二人の向こうにはまだレイスが数体、浮いている。




「さあ、ホントに手詰まりだ」




「そうですねっ。なにか弱点でもあればいいんですけどっ」




 弱点……。

 俺は今まで見てきたアニメや漫画の知識を思い出す。

 レイスは聖なるものが苦手なはずだ。

 例えば聖水。




「なあ、聖水とか持ってるかっ」




「持っていませんよっ。事前に言ってくれれば作りましたけどっ……」




 なんと、作れるのか?

 さすが腐っても神様だ。

 だが、今持ってないのでは、この場でおねだりしても仕方ない。




「他には聖剣とかか……。あと太陽の光もダメだったはずだな」




「その両方ともここじゃ無理ですねっ……。万事休すですっ」




 そうこう言い合っているとレイスがまた1匹フヨフヨと近づいてきた。




「まずいぞ。とりあえず躱そう」




「そうですねっ」




 俺と恵ちゃんは取り憑こうと手を伸ばしてくるレイスを避けた。

 右に避け、左に避け、屈み、ジャンプする。

 だが、そうそういつまでも避け続けるのは難しい。




「うおっ……」

「はわわっ」




 俺と恵ちゃんは避けた勢いで衝突してしまった。

 2人ともコテンと尻もちをついてしまったのだ。

 そんなときだった。




「ああっ、……避けろ!」




 俺は叫んだ。

 なぜならば立ち上がろうと両手を床についている恵ちゃんにレイスが手を伸ばして来たからだ。




「……ああっ」




 遅かった。

 立ち上がりかけた恵ちゃんの背中にレイスが触れたのだ。

 そしてレイスはそのまま恵ちゃんの体内へと姿を消す。




「おい、大丈夫か……?」




「……コロス」




 だが返ってきたのはトロンとした焦点の合わない目つきで話された物騒な言葉であった。



 まずい。

 俺は飛び退いて一旦距離を取る。

 だがそんな俺に恵ちゃんはショットガンを向けてきた。




 ――ダンッ、ダンッ、ダンッ。




 俺にめがけて散弾が飛んできた。




「……うっ」




 思わず反射的に俺は顔を手で庇い目をつむる。

 だが、痛みはまったくない。

 やはり俺たちには武器での攻撃は通じないようだ。




 だが、それでもまったく楽観視できない。

 なぜならば俺には恵ちゃんを倒す方法もないし、全裸正座させれている呂姫ちゃん、集子ちゃんを元に戻すやり方もわからないからだ。



 前方を見る。

 するとまだレイスたちは残っている。

 あの中の1匹に俺が取り憑かれたら、きっとすべてが終わる。

 たぶんゲームオーバーとなって、俺たちは臥留子ちゃんのところまでたどり着けないのだろう。



ひとりになってしまったのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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