270話 斧の攻撃なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「うおっ~……」
俺は足を滑らせて転んでしまったのだ。
勢いで尻もちをついてしまう。
「だ、大丈夫ですかっ」
恵ちゃんが俺に駆け寄ってくる。
「ああ、ただ転んだだけだ」
「ああっ。大吉さんっ。避けてくださいっ」
恵ちゃんの悲鳴が聞こえた。
見ると俺の背後から両手の斧を振り上げた呂姫ちゃんが迫っていたのだ。
そして振り下ろされる2つの斧……。
俺は死を覚悟した。
ああ、俺はこんな形で人生を終えるのだな。
グチャグチャの肉塊にされて命を落とすのだと理解して目を閉じるのであった。
だが、違った。
――ペシペシ。
へ……?
俺は怖々と目を開ける。
すると俺の身体に向かって何度も斧を振り下ろす呂姫ちゃんの姿があった。
――ペシペシ。
斧は確かに俺の胴体にぶち当たっている。
だが痛みはないし、ダメージもまったくない。当然、肉は切られてないし血も出ていない。
まるで割り箸で叩かれているかのような感触しかないのだ。
「……コロセナイ」
目がトロンとした呂姫ちゃんが恨めしそうにそう声を出す。
それでも執拗に俺へ斧を振り下ろし続けている。
「大吉さん、大丈夫なんですねっ?」
「ああ、ダメージはない。……って言うか、まったく痛くない」
俺の返事を聞いて恵ちゃんがホッとした顔になる。
「やっぱり、私たちには武器での攻撃は効かないんですねっ」
「そうなるな。でも、どうすんだこれ」
俺は割り箸程度の攻撃を続けている呂姫ちゃんを見る。
すると恵ちゃんが呂姫ちゃんの背後に回った。
「とりあえずやめさせますっ」
「取り押さえるのか?」
俺は立ち上がりながらそう尋ねる。
「羽交い締めにしちゃいますっ」
そう言って恵ちゃんは呂姫ちゃんの背後から腕を回して取り押さえようとする。
そのときだった。
「……セイザ、スル」
そう言った呂姫ちゃんは恵ちゃんを振り切った。
そして全裸で正座している集子ちゃんの横に行き、ワンピースをバサリの脱ぎ捨てたのだ。
「お、おい!」
俺は止めるように声を掛けるが呂姫ちゃんは止まらない。
そして上下の下着もポイポイと脱いで、あっと言う間に素っ裸になってしまった。
……う、ぐぐぐ。
呂姫ちゃんは相変わらず大きい。
その真っ白いたわわな胸がユルンユルンと揺れる。
そしてその場で正座したのである。もちろん全裸の集子ちゃんの隣にだ。
「はわわ……。大吉さん。見ちゃダメですっ」
恵ちゃんに言われて我に返った俺は視線を呂姫ちゃんから外す。
だが目には全裸の呂姫ちゃん、そして集子ちゃんの姿が目に焼き付いてしまい離れない。
「俺、どうにかなってしまいそうだ」
「ダメですっ。早く復帰してくださいっ」
そう言った恵ちゃんは俺の手を取るのであった。
痛くないのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。