268話 そして正座なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
――ドカンッ!
手榴弾は俺たちの中央で爆発した。
辺りはもうもうとした爆煙で視界がまるで効かない。
だが俺たちにはダメージは一切ない。
同士討ちなしの異空間仕様だからな。
「……無事だな」
「平気ですっ。ダメージありませんっ」
「でもいったい集子はどうしちゃったのかしら?」
晴れた視界の中、集子ちゃんは立っていた。
次弾を投げようと右手には新たな手榴弾を握ったまま。
「乗っ取られたんだろうな」
「そうですねっ」
「そう来たのね。レイスの攻撃方法は乗っ取りなのね」
俺たちは集子ちゃんを見ている。
だが集子ちゃんは持ったままの手榴弾を投げない。
俺たちに効果がないことがわかったのかもしれない。
「……でも困ったぞ。どうやって助ける?」
「背中をバンバン叩くのはどうでしょう?」
「食べ物を詰まらせたんじゃないんだから、そんなんじゃ無理よ」
恵ちゃんの提案に呂姫ちゃんが呆れたように言う。
まあ、その通りだな。
「まあ、でも背中を叩くうんぬんは別として拘束した方がいいんじゃないか?」
「そうですねっ。下手に邪魔されちゃ困りますしっ」
「そうね。とりあえず羽交い締めくらいはした方がいいかもね」
と、言う訳で俺、恵ちゃん、呂姫ちゃんの3人で集子ちゃんを包囲した。
そして両手を広げてジリッジリッと包囲の幅を狭める。
そんなときだった。
突然、呂姫ちゃんが持っていた手榴弾をゴトリと床に投げ落としたのだ。
「……爆発するのか?」
「大丈夫ですっ。安全用のピンは抜けていませんっ」
「いったいなにがしたいのかしら?」
俺たちは集子ちゃんの一挙手一投足に注意した。
もしかしたら素手で殴りかかって来るかもしれないのだ。
ところがそこで異変が起こった。
俺たちは困惑した。
それもそのはずだ。
集子ちゃんは攻撃をして来ない。そして暴れもしない。
ただ目はトロンとして焦点が合ってない。
「……な、なにやってんだ!」
「はわわ。集子ちゃん、どうしたんですっ」
「ちょ、ちょっとなにしてんのよ!」
そして突然、意外な行動を取り始めたのだ。
なんと着ている服を脱ぎ始めた。
上着を脱ぎ、スカートを脱いで下着姿になった。
だがそれで止まらずに下着もぽいぽいと脱いでしまったのだ。
……う、ぐぐぐ。
全裸。
集子ちゃんの白磁のような素肌。そして揺れるたわわが目に入ってしまい、俺は思わず理性を失い、身体の一部が反応してしまいそうになる。
「大吉さんっ、見ちゃダメですっ」
「うわあ、集子、なにやってんのよっ!」
すっかり全裸となった集子ちゃんはトロンとした目のままその場で正座するのであった。
裸で正座してしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。