267話 身体を乗っ取られたのです。
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「「「「「ヒョォォォォ~」」」」」
俺はアサルトライフルを身構える。
すると恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんも武器を準備するのが気配でわかる。
「行くぞ」
――ダダダダダ。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ。
俺はライフルを連射した。そして恵ちゃんもショットガンを続けてぶっ放す。
だが……。
「……ダメですっ。突き抜けちゃいますっ」
そうだった。
俺のアサルトライフルの弾丸も恵ちゃんのショットガンの散弾もレイスの身体を通り抜けてしまっている。
なのでダメージがまったく入っていない。
「このっ、このっ! ……ダメね」
呂姫ちゃんが両手の斧でレイスを切り裂こうとする。
だがやっぱりすり抜けてしまっている。
「ふぉふぉふぉ。なら、これはどうじゃのう」
集子ちゃんが手榴弾を投げた。
それは空中で爆発を起こす。
――ドカンッ。
それはちょうどレイスたちがいた空域で幽霊たちは爆炎と爆煙に包まれる。
「いいぞ」
「狙いバッチリですねっ」
「ジャストミートってとこかしら」
「ふぉふぉふぉ。いい具合じゃのう」
そして空中から煙が去って視界が戻った。
しかしそこには異変はなかった。
レイスたちが依然としてゆらゆら浮いていたのだ。
見た目からして数が減っているとは思えない。
「……げ」
「まさかのノーダメージですねっ……」
「まったく効いてないみたいね……」
「ふぉふぉふぉ。……これは困ったのう」
どうやら爆炎も爆煙もレイスの身体を素通りしてしまったようだ。
「……つまり物理的な攻撃は一切無駄ってことか?」
「そうなりますねっ」
「手立てが……ないわ」
「ふぉふぉふぉ。万事休すじゃのう」
俺たちの攻撃が一切通じない。
これは今までに出会わなかった初めての敵だ。
逃げるしかないのか……。
そんなときだった。
「ヒョォォォォ~」
1匹のレイスが速度を上げて俺たちに接近して来た。
俺たちはレイスの攻撃方法がわからない。
だから避けるようにして攻撃を躱す方法を取る。
屈んだり、飛び退いたりした訳だ。
ところがだった。
うまく躱せなかった集子ちゃんがレイスに捕まった。
正確に言えば集子ちゃんの身体にレイスがスッと入り込んだように見えた。
「ふぉふぉふぉ……? あれぇ~!!」
集子ちゃんに異変が起きた。
身体をガクガクと震わせたかと思ったら、急にゆらゆらと身体を揺らし始めたのだ。
そして手にしていた手榴弾のピンを抜き、驚いたことに俺たちに向かって投げたのだ。
集子ちゃんが乗っ取られてしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。