266話 レイスと遭遇なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
それからしばらくしたときだった。
場所は相変わらずのゲーセンでゲーム筐体からは音楽と画像と光が流れ続けている。
いったいどれくらいのゲーム機械が設置されているんだろう。
数百、いや数千かもしれない。
「あれ? なんかありますよっ」
突然、恵ちゃんが前方を指さした。
すると確かになにか見える。
それは音も画像も光も発してなくて、ただ黒っぽい大きな箱に見える。
「長持ね。なにが入っているのかしら?」
「ふぉふぉふぉ。調べた方がよさそうじゃのう」
呂姫ちゃんと集子ちゃんがそう発言する。
「そうだな。いちおう見ておくか」
俺はそう返事をして、長持の蓋を開けるのであった。
「……ん? なんだこれ?」
「手榴弾……みたいですねっ」
「ちょっと形が違うように思えるけど」
「ふぉふぉふぉ。おそらくこれはスタングレネードじゃな。閃光発音筒と言えばわかりやすいかのう」
集子ちゃんが説明してくれた。
作動すると激しい光と激しい音を発して敵を目眩まし難聴にさせる兵器の一種らしい。
そして殺傷能力自体はないとのことだ。
「……微妙だな」
「そうですねっ。威力なら手榴弾の方がありますねっ」
「必要ないんじゃないかしら」
「ふぉふぉふぉ。まあどうしてもって訳じゃないのう」
俺たちは相談した。
そして不必要と判断した。今までの武器の方が威力があるからだ。
不要に荷物を多くしたくないしな。
それからまたしばらく歩いた。
先頭は俺と呂姫ちゃん。次は恵ちゃん、最後尾は集子ちゃんだ。
この順序に深い意味はない。ただなんとなくそうなっただけだ。
そんなときだった。
「ねえ、なにか見えない?」
呂姫ちゃんが俺の肩をつつきながら尋ねてきた。
「ん? ……前の方だよな。……よく見えん」
「あれっ? なにか浮いてますよっ」
今度は恵ちゃんがなにかを発見したようだ。
俺は目を凝らす。
すると遥か前方の空間に半分透き通ったかのようななにかが多数浮いているのが見える。風に揺られてユラユラって雰囲気だ。
「やっぱりなにかいるわね……」
なので俺たちは近づいてみた。
するとなんとなくわかった。
人型でふわふわして向こう側が透き通って見える。
よく見ると顔や腕、身体はミイラのように干からびている感じだ。
「幽霊……?」
「そうみたいですねっ」
「い、いやよぉ。……私、こういうの苦手なのよね」
呂姫ちゃんが引き攣った顔になり後退る。
「「「「「ヒョォォォォ~」」」」」
俺たちを認識したみたいで幽霊みたいなヤツらが声を発する。
背筋がぞっとするなんとも気味悪い声だ。
「ふぉふぉふぉ。あれはレイスじゃのう」
レイス。
これも漫画やアニメで知っている。
まあ、簡単に言えば実体がない幽霊の魔物だ。
そしてレイスたちだが、その骨のように細い両手を振り上げて俺たちに襲いかかって来た。
幽霊と遭遇してしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。