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263話 湧き上がる疑問なのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 その様子はのっしのっしと言う感じでまさに巨漢と呼ぶにふさわしい。




「色は黒っぽいな」




「ああっ、見てくださいっ。頭に角がありますよっ」




 恵ちゃんの言う通りだった。

 その迫りくる2体の頭にはそれぞれ2本ずつの角がニョッキリと生えている。




「鬼……なのかしら?」




「ふぉふぉふぉ。あれはオーガじゃのう」




 オーガ。

 これまた漫画やアニメで見たことのある魔物だ。

 頭に角が生えた巨体でその力はすさまじい。

 日本の鬼とイメージが似ているが、西洋ファンタジーでおなじみの魔物だ。

 とても凶暴で話し合いなんかできる相手じゃない。




「でも……、どうしてオーガなんだ? どうして鬼じゃないんだ?」




 俺は実は前々から疑問があった。

 なので口にしてみたのだ。




「鬼じゃなくてオーガなのが、なにか問題なんですかっ?」




 恵ちゃんが尋ねてくる。




「ここは臥留子ちゃんの神力で作った異空間なんだろ? だったら和風じゃないのが変だなって思ってさ」




「……言われてみればそうですねっ」




「そう言えば、出てくる魔物たちすべて西洋ファンタジーのものよね?」




「ふぉふぉふぉ。確かに臥留子なら鬼とか河童とか天狗とかを出しそうじゃのう」




 俺の疑問がわかってくれたようで恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんも同様の疑問を持ってくれたようだ。




 そうなのだ。

 ここは臥留子ちゃんの世界なのだ。なのに魔物が全部西洋ファンタジー系ってのが引っかかるのだ。




 そうこう言っているうちにオーガがその全容を明らかにした。

 身長2メートルを軽く超える筋骨隆々の巨体。

 青黒い体色。そして頭髪がない頭に生えた2本の角と爛々と光る凶悪な視線。



 確かに疑問は残る。

 だがそれは後回しでもいいだろう。そう思った。

 そのときだった。




「「ウガァーッ!!」」




 両手を上げて雄叫びを上げた。

 その距離はすでに10メートルを切っている。




 ……げ。

 俺はその威圧感で正直ビビってしまう。




「……ど、どうする?」




「戦いますよっ。当然ですっ」




「切り刻んでやるわ!」




「ふぉふぉふぉ。吹き飛ばしてやろうのう」




 どうやら三女神たちに怯えはまったくないようだ。

 それを聞いて俺もなんとか踏みとどまれる。




「よし、攻撃開始だ!」




「わかりましたっ」




「了解よ」




「ふぉふぉふぉ。では行くぞう」




 俺はアサルトライフルを連射した。

 ダダダダと発射された弾丸は1体のオーガの顔面を襲う。

 それを嫌がったオーガは片手で顔を防ぐ。




 ダンダンダンッと恵ちゃんのショットガンも連射される。

 左右交互に発射したらしく2体のオーガ両方に散弾が襲いかかる。

 致命傷はとてもじゃないが与えられないがそれでもオーガはのけぞっているのはダメージが入っている証拠だ。




「切るっ!」




 呂姫ちゃんが走り出すのが見えた。

 呂姫ちゃんの武器は片手斧だ。近距離じゃないとダメージを与えられない。

 ……後ろ姿でもその下着姿がエロい。




 そして1体のオーガの顔面近くで爆発が起こった。

 集子ちゃんが投げた手榴弾が炸裂したのであった。

 これは相当ダメージが入ったようで当たったオーガが片膝をつくのが見えたのだった。



なぜ和風じゃないのか疑問なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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