表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/512

259話 かわええのです。

基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。




 

 そんなこんなのうちに、徐々に遠くからやって来るイヌらしき集団がぼんやり見えてきた。ワンワンと言う鳴き声、耳がぴんと立っていて鼻が前方に出っ張っている形からやはりイヌのように思える。




「……でも、おかしくないか?」




「そうですねっ。なんか大きいですっ」




「大きいってよりも背が高過ぎない?」




「ふぉふぉふぉ。まるで立ち上がっているようじゃのう」




 そうなのだ。

 イヌと言えばイヌに見えるんだけど頭の位置が高過ぎるのだ。

 集子ちゃんが言うようにまるで立ち上がっているかのようだ。




「……げ。あれ後ろ足で歩いているぞ」




「二足歩行ですねっ」




「人のように歩いているわね」




「ふぉふぉふぉ。あれはコボルトじゃのう」




 なんてこった。

 コボルト。アニメや漫画で見たことがある二足歩行のイヌの魔物だ。

 群れで襲ってくるので危険だったはず。




「じゃあモンスターなんですねっ」




「ああ。見た目はイヌだがな」




 立ち上がって歩いて来るのには違和感があるけど頭だけ見ればイヌそのものだ。

 なんとなく殺すのには躊躇いを感じてしまう。

 距離はますます近くなる。するとコボルトの全容が明らかになった。




「……あれ、柴犬じゃないか?」




「そうですねっ。しかも顔は仔犬ですっ」




「場違いなのは明らかだけど、あえて言うわ。……かわいいわね」




「ふぉふぉふぉ。なんとも愛でたい顔じゃのう」




 そうなのだ。

 身体は俺たちと同じくらいの大きさなのだが、姿は柴犬の仔犬そっくりだったのだ。

 なんともかわいらしい顔つきだ。その数10匹ほど。




「……こ、こいつらを倒すのか?」




「そ、そうですねっ。……ちょっと考えちゃいますっ」




「でも、モンスターなんでしょ?」




「ふぉふぉふぉ。倒さないと服が戻ってこない可能性があるからのう」




 そうだった。

 俺はなんともないが、背後にいる恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんは下しか履いてないのだ。

 そして今は武器を身構えているはずだろうから、振り向けば胸は丸見えだろう。




 ……う、ぐぐぐ。




 想像したら理性がおかしくなりそうだ。




 そのときだった。




「「「「「クゥ~ン……」」」」」




 もう目の前まで迫っていたコボルトたちが甘え声で鳴き始めたのだ。

 ウルウルとしたクリクリの目が俺たちになにかを訴えている。

 そこには戦う意志など欠片もない愛玩動物の態度しか感じられなかった。




「……俺、もう駄目かも」




「私もですっ……」




「まあ、そうよね」




「ふぉふぉふぉ。かわええのう」




 コボルトたちの仕草はとにかくかわいかった。

 イヌ好きの俺はもう戦えそうにない。

 なので、ふらふらと歩み寄る。その頭を撫でたくなってしまったのだった。



見た目はとてもかわええのです。(`・ω・´)∩



よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ