256話 罠なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そのときだった。
「加茂くん、ちょっと待って」
呂姫ちゃんが話しかけてきた。
「どうした?」
「私、考えたんだけど。ショットガンで撃つより手榴弾の方がいいんじゃないかしら?」
「ふぉふぉふぉ。確かのそうじゃのう。範囲も威力もショットガンより上じゃのう」
「そうですねっ。言われてみればそうですっ」
そうか……。
確かにショットガンより手榴弾の方が威力がある。
「ならばこれならどうだ? 三人がそれぞれ手榴弾を手に持って、襲われたと思った瞬間に爆発させるんだ。どうせ俺たちには爆風が来ないんだから三人で一斉に爆発させるのがいいと思うぞ」
「なるほどですっ」
「それはいいアイディアね」
「ふぉふぉふぉ。それがいちばん良い手じゃのう」
それで恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんの三女神には抱き合うように固まってもらって、それぞれの手にひとつずつ手榴弾を持ってもらった。
要するに罠だ。
これで襲いかかって来たゴブリンたちを纏めて吹き飛ばす作戦なのである。
見るとゴブリンたちの勝鬨の踊りが終わった。
「「「「「グギャギャギャャャ」」」」」
俺はショットガンを身構える。
もちろん向きは三女神の方角だ。
メインの罠は手榴弾だが、俺はなにもしないって訳にはいかないからな。
せめて援護射撃くらいはした方がいいだろう。
そしてゴブリンたちがスッと姿を消した。
高速移動を開始したのだ。
そして待つこと数瞬……。
来たっ!
裸体の恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんのところに高速で動き回る影が見える。
その瞬間だった。
俺はショットガンをぶっ放した。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ!
――ボカンッ、ボカンッ、ボカンッ!!
そして手榴弾も一斉に爆発した。
恵ちゃんたちも自分たちの肌に触れられたのがわかったので爆発させたようだ。
爆煙でなにも見えない中、俺はショットガンを撃ち続けた。
――ダンッ、ダンッ、ダンッ!
万が一、爆風から逃れたゴブリンがいるかもしれないのだ。
なので攻撃を加えることに無駄はないだろう。
……やがて煙が晴れた。
そしてそこには抱き合う形になっている三人の女神たちの全裸姿があった。
「はわわ。……なんとかなったのですっ」
「ふう……。どうにかなったわね。かろうじて助かったわ」
「ふぉふぉふぉ。身が汚されずにすんだわい」
どうやら女神たちは無事のようだ。
そして三女神たちの周りにも元いた場所にもゴブリンたちの姿はなかった。
すべて消滅したようだった。
どうやら無事だったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。