254話 目的がわかったのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
……目的はなんだ?
俺は考えた。
ゴブリンたちは恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんの三女神を全裸に剥いた。
これが最終的な目的なのか……?
なんか違う気がする。
そう思うんだが、それ以上の考えが浮かばない。
そもそもなんで俺だけは狙われないんだ?
俺が男だからか?
じゃあ、なんで三女神たちは襲われたんだ?
恵ちゃんたちが女だからか……?
そう思って見るとゴブリンたちはみんなオスだった。
上半身裸で腰布だけの服装だから間違いない。
そして胸が膨らんでいるのが1匹もいない。つまりメスは1匹もいないのだ。
うーむ、これはどういう意味だ。
そんなときだった。
「ああっ! 思い出しましたっ!」
身体の大事な部分を手で隠しながら恵ちゃんが叫んだ。
「なにを思い出したんだ?」
俺が尋ねると恵ちゃんが呟くように言い始めた。
そしてその顔は真っ青だった。
「……ゴブリンはオスしかいないんですっ。なので他種族の女性を襲って種族を増やすんですっ」
……そうだった!
それは俺も知っていた。漫画やアニメですでに知っていたはずの知識だ。
「じゃ、じゃあ私たちに性犯罪をしようってことなのっ?」
「ふぉふぉふぉ。それはイヤじゃのう。あんな醜悪なヤツらに肌を汚されるのはまっぴらごめんじゃのう」
呂姫ちゃんも集子ちゃんも顔を歪ませている。
そして肩を震わせている。恐怖なのだろう。
「神子恵。あんたが犠牲になりなさいっ! あんた、子宝の神でしょ? ちょうどいいじゃない」
「冗談じゃありませんっ。私は子宝を授ける神であって、私自身がたくさん産むんじゃありませんっ」
そりゃそうだろう。
恵ちゃんが子宝の神うんぬんは別として、子宝とは望んだ相手との間に作るのが当然だ。望まぬ相手、それも魔物でも醜悪で嫌悪感しかないゴブリンの子など宿したくないのは当たり前のことだ。
「ぐぬぬ。……それにしても臥留子ちゃん、なにを考えているんでしょうかっ」
「あの子の考えることなんて、わからないわよ。いつもなにを考えているのかわからない性格してるんだから……」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。臥留子はいつもボーっとしているだけじゃからのう」
女神たちがそんな会話をしている。
そして前方を見るとゴブリンたちが服を奪った勝鬨の踊りが終わる頃だった。
そろそろなんとかしなくちゃ大変なことになる。
「ちょっと考えがある。集まってくれ」
俺は三女神たちに向かってそう言った。
すると右手で胸、左手で下を隠したまま恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんが俺の元にやって来たのであった。
ヤツらの目的がわかったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。