253話 全滅なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
俺はいなくなったゴブリンたちが元いた場所から視線を動かす。
見るのは恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんの三女神だ。
なにも彼女たちの恥ずかしい姿を目に焼き付けるためじゃない。
ヤツらが狙うのが女神たちの下着であるのであれば、そこを注視していれば動きがわかると思ったからだ。
幸いこの空間では味方に誤射はない。
つまり恵ちゃんたちに流れ弾は一切当たらないのだから、下着を奪う瞬間のゴブリンを射撃すればいい訳だ。
……来たっ!
恵ちゃんの元になにかの黒い影が一瞬動いた。
その大きさからして間違いなくゴブリンだろう。
俺は構えていたアサルトライフルの引き金を引く。
――タタタン。
軽快な射撃音がして弾丸は発射された。
「グゲゲゲゲッ……」
見ると1匹のゴブリンが恵ちゃんの足元に倒れていた。
緑色の身体から赤い血が床に流れている。
間違いなく仕留めただろう。
ところがそれで終わらなかった。
倒れたゴブリンの右手には白い女性用下着が握られていたのだ。
「きゃ~っ。な、なんなんですかっ! イヤですぅっ……!」
まだ幼い体型の恵ちゃんが全裸に剥かれていた。
必死になって右手で胸を隠し、大事な下を左手で隠す。
幸い成長しきっていないので十分に隠しきれているが、それでも羞恥は相当なようで顔だけじゃくて両耳まで真っ赤だ。
……う、ぐぐぐ。
俺は怯んでしまう。
幼いとは言え、恵ちゃんは十分美少女なのだ。
その裸を見て無反応ではいられない……。
って、恵ちゃんばっかり見ている訳にはいかない。
俺は気を取り直すと呂姫ちゃんに向き直る。
アサルトライフルを構えて呂姫ちゃんの様子を探る。
そのときフッと黒い影がよぎった。
俺は射撃を開始する。
タタタンと射撃音が鳴り響く。
だが、……間に合わなかった。逃げられてしまったのだ。
「い、いや~っ!! 加茂くん、見ないでっ!!」
呂姫ちゃんも全裸に剥かれていた。
しっかり押さえていたはずの下着をするりと抜かれてしまったようだ。
豊かでたぷんたぷんと揺れるたわわを右手で押さえながら、剥かれてしまった下を左手で必死に隠している。
その肉感豊かな真っ白な肉体に目が釘付けになってしまう。
……う、ぐぐぐ。
やばい。
理性と身体の一部の反応は別物だ。
呂姫ちゃんを気の毒に思う気持ちは十分にあるのだが、俺の一部が反応し始めてしまっている。
だ、駄目だ。
俺はまだ頭の中に残っていた冷静さを取り戻し、呂姫ちゃんから視線を外す。
そして残る最後の集子ちゃんを見る。
「ふぉふぉふぉ。……い、いや~っ!! な、なんでよっ! しっかり押さえてたのにっ!!」
全滅だった。
集子ちゃんはすでにゴブリンの襲撃に遭い、手でしっかり押さえていたはずの下着を奪われた後だったのだ。
白髪で赤目、そして陶磁器のような純白な肌を持つ集子ちゃんも無惨にも全裸にされていた。
細身の身体なのに胸だけは呂姫ちゃんに負けないたわわなボディなのが集子ちゃんなのだが、やはり右手でその大きな胸を隠し、左手で他人に見せてはいけない部分を押さえていたのだった。
やられてしまったのです。(`・ω・´)∩
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私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。