252話 また狙われたのです。
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……どこだ?
俺は注意深く辺りを見回そうとした。
高速で移動しただけだ。実体が消滅した訳じゃないはずだ。
そのときだった。
「「「きゃ~!」」」
悲鳴が響いた。
俺は思わず恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんを見る。
「……げっ!」
そうなのだ。
三女神の上の下着がなくなっていたのだ。
恵ちゃんはキャミソールを奪われ、ほんのささやかな胸を右手でしっかり抑えている。
そして呂姫ちゃんと集子ちゃんも下着を奪われ、たわわに実った果実を一生懸命隠している状態だった。
「ホントに、なんなんですかっ!」
「もう、やめて~っ! ハズいったらないわ!」
「ふぉふぉふぉ。これは羞恥じゃのう」
この状態では、もうこの三人は戦えない。
手が塞がってしまっているので武器は使えないだろう。
だとすると俺がなんとかしなくては……。
それにしてもだ。
ゴブリンたちはどうして武器を使って俺たちを攻撃するのじゃなくて、女神たちの服を奪うのだろうか。
その目的がわからない。
「「「「「グギャギャギャャャ……!!」」」」」
前方でゴブリンたちが吠えた。
見るとその手には三女神たちから奪った上の下着がある。
戦利品としてなのだろうか、両手で掲げて両手足ふらふらの下手くそな舞のような踊りをしている。
たぶん彼らの勝鬨の舞なのだろう。
「あ、頭に来ましたっ」
「雑魚モンスターのくせに……」
「ふぉふぉふぉ。許せんのう」
恵ちゃんたちは怒り心頭で今にでも突撃しかねない表情だが、さすがに上半身裸なのでそれは自重したようだ。
ぐぬぬ、と悔しそうに歯ぎしりしている。
「次の攻撃に備えよう。おそらくたぶん次は……」
俺はなるべく半裸の女神たちを見ないようにしてそう口にする。
「そうですねっ。次は……まずいですっ」
「そうね。それは考えたくもないわ」
「ふぉふぉふぉ。これ以上はまずいのう。さすがに元爺さんでも恥ずかし過ぎるのう」
恵ちゃん、呂姫ちゃん、集子ちゃんたちの顔が引き締まる。
次の攻撃に備えての心構えだろう。
そして次の瞬間だった。
「「「「「グギャギャギャャャ……!!」」」」」
またまたゴブリンたちが雄叫びを上げた。
そして次の瞬間、フッと姿がかき消えたのだ。
「来るぞ!」
「わ、わかりましたっ!」
「わかってるわ!」
「ふぉふぉふぉ。取られないようしっかり押さえるんじゃぞ」
次になにを狙っているのかは、さすがにもうわかる。
最後に残った下に履く下着が狙いなのはわかり過ぎるほどにわかってしまっているからだ。
服を奪われ続けているのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。