248話 作戦開始なのです。
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ムカデ骸骨はのたうち回っていた。
ただそれは苦しんでいるという訳ではなさそうで、ただ周りが見えなくて暴れている感じに思えた。
ガツン、ガツンと辺りのゲーム機を壊している。
「頭蓋骨がなくなっちゃって見えないんでしょうかっ?」
「どうもそんな感じだな」
とりあえず俺たちが見えていないので攻撃はして来ない。
だがそれで問題解決となった訳じゃない。
俺たちはあのムカデ骸骨がいる向こうに進まなきゃならないのだ。
「ちょって待って。なにか変よ?」
「ふぉふぉふぉ。なにか集めてるのう」
そうだった。
ムカデ骸骨はその10本の腕で地面に落ちたなにかを拾い集めている。
よく見ればそれは呂姫ちゃんが斧で叩き壊した頭蓋骨の破片だった。
「なにしようとしてんだ?」
「……ひょっとしてですけど、破片を組み合わせているんじゃないですかっ?」
恵ちゃんのその回答に俺はぎょっとする。
なにを企んでいるんだ?
「もしかして頭蓋骨を直そうとしているのかしら?」
「ふぉふぉふぉ。案外そんな辺りじゃのう」
そうだった。
見れば破片を器用に組み合わせて頭蓋骨を復元しているのだ。
そして完成してしまった。
見た目ちょっと歪だが合計3つの頭蓋骨が復元されて元の位置に乗っかっている。
歪なのはバラバラの破片を無理に復元したからだろう。
だがこれでムカデ骸骨は視界を取り戻したのだ。
「さて、どうしたものか……」
「……私、思ったんですけど腕を全部壊しちゃえばいいんじゃないですかっ?」
「ナイスよ。神子恵。それ行けるわね」
「ふぉふぉふぉ。確かに腕がなくなれば元に直すのは無理じゃのう」
恵ちゃんのナイスアイディアだ。
確かに腕をすべて破壊してしまえば器用に骨を戻すことはできなくなるに違いない。
「だとすると、俺と恵ちゃんと集子ちゃんが援護するから、呂姫ちゃんに腕を切り落としてもらう作戦だな」
「そうですねっ」
「私はいいわよ」
「ふぉふぉふぉ。なら儂も手榴弾で援護じゃな」
作戦は決まった。
そして俺はアサルトライフルを途切れさせずに連射。恵ちゃんは連続してショットガンを発射。集子ちゃんは次々と手榴弾を投げる。
さすがのムカデ骸骨もこの集中攻撃は堪えるようで、もがき苦しんでいる。
「じゃあ、行くわよ!」
呂姫ちゃんが両手の斧を振りかぶってムカデ骸骨に突進するのであった。
どうにかなりそうなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。