241話 意外な部屋に到着したのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「どういうことだ?」
「なぜなんですかっ?」
「意味がわからないわ」
俺、恵ちゃん、呂姫ちゃんが口々にそう言う。
そりゃそうだ。
時刻は7時すぎ。閉店時間まであと1時間もないのだ。
「ふぉふぉふぉ。ここは臥留子が作った空間なのじゃ。じゃからして外の通常空間とは時間の流れが異なっておる」
「そ、そうなのか?」
俺は驚いた。
でもここは確かに通常空間じゃない。そういうこともあるのだろう。
「具体的に今何時かわかりますかっ?」
「ふぉふぉふぉ。午後1時くらいかのう」
「それならまだ時間は十分にあるわね」
安心した。
これなら今日中にPCショップに行くことが可能だ。
「で、これからどうするかだな」
「……また登るしかないんじゃないかしら?」
呂姫ちゃんが部屋の奥にある木製の階段を指差す。
「そうですねっ。それしかないですよねっ」
「そうだな。行けるところまで行くしかないな」
「ふぉふぉふぉ。ついでじゃ。儂も付いて行くぞ」
こうして俺たちは集子ちゃんを追加して4人組となって行動するのであった。
■
それからも傾斜のきつい木製の階段をいくつか登った。
だが登りきった部屋にはもう長持はなかった。
ただの空き部屋が続いていたのだ。
「……見慣れた部屋ばかりですっかり飽きたな」
「そうですねっ。もううんざりですっ」
「変化がないってのは苦痛よね」
「ふぉふぉふぉ。つまらんのう」
そう言いながらも仕方なく階段を登り続けてしばらくのことだった。
「……あれ? なにか聞こえませんかっ?」
恵ちゃんがそう言って耳に手を当てる。
「なにか、ってなんだ?」
俺も耳を澄ましてみた。
するとなにかが聞こえてきた。
軽快な音楽や爆発音、叫び声、なにかをアナウンスしている声……。
「上の方からね」
「ふぉふぉふぉ。登ってみるしかないのう」
「だな」
「ですねっ」
俺たち4人は新たな階の階段を登り始めた。
目的ができたからなのか、心なしか登る速度も速くなる。
そして登りきったときだった。
「なんじゃこりゃ~」
「な、なんなんですかっ」
「あり得ないわね」
「ふぉふぉふぉ。奇々怪々じゃのう」
登った部屋はゲームセンターだったのだ。
ゲーセンなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。