240話 集子ちゃんがいた理由なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「……ふぉふぉふぉ?」
目を覚ました集子ちゃんだが状況がよくわかっていないようで辺りをキョロキョロと見回す。
そして自分が長持の中にいるのを理解したようで立ち上がって長持を出るのであった。
「……なぜ儂がこんな場所にいるんじゃ?」
俺たちは知っている限りの情報を提供した。
ここが臥留子ちゃんの神力で作られた空間であることや、長い長い和室の襖を開け続けた先にこの蔵があって、その階段をひたすら登り続けていることなどだ。
「……ふぉふぉふぉ。それは難儀じゃのう」
ジジイ言葉で集子ちゃんがそう言う。
「なに言ってんだ。お前もそれに巻き込まれているんだぞ」
「そうですっ。集子ちゃんも私たちと同じ状況なんですよっ」
「でも、いったい集子はいつから長持の中にいたのかしら? それも気になるわ」
言われて自分の状況を理解したのか集子ちゃんが考え顔になる。
「……儂にもわからんのう。……む、待てよ」
なにかを思い出したのか、集子ちゃんはハッとなる。
「……そう言えば臥留子に呼ばれたんだっけのう。そして祠に入ったところまでは覚えているわい」
どうやら集子ちゃんも俺たち同様に臥留子ちゃんに呼び出されたらしい。
そして一足早くやってきて臥留子ちゃんの神力が作った空間に入って、気がつけば長持の中で眠っていたようだ。
「……ひょっとしてですけどっ、長持の中にお金が入っていたのは臥留子ちゃんなりのヒントだったんじゃないですかっ」
「ん? どういうことだ?」
俺は恵ちゃんに問い返す。
「だってお金が入っていれば集子ちゃんを連想させるじゃないですかっ」
「そうかも知れないわね」
呂姫ちゃんがう~むと唸って腕組みする。
するとたわわが腕に押し上げられて見事な谷間が服から覗けて見えた。
……思わず目を泳がせてしまったぞ。
「……ふぉふぉふぉ。そもそもお主らはなぜ臥留子の家に来たのじゃ?」
「大吉さんをダイキチーナに変身させるためですっ」
俺たちは集子ちゃんに説明した。
元々は注文していたゲーミングPCがお店に届いたので、注文したダイキチーナが受け取りに行かないとマズイことだ。
「なるほどのう。じゃったらいよいよ臥留子に会わんとならんわけじゃな」
「そうなんですっ。でも早くしないとお店が閉まっちゃいますっ」
そうだった。
時計を見ると時刻はもう夕方の7時を過ぎていたのだ。
「……まずいな。このままだと閉店時間に間に合わないぞ」
「ふぉふぉふぉ。それなら心配は無用じゃの」
集子ちゃんが突然そんなことを口にするのだった。
集子ちゃんも呼ばれていたのです。(`・ω・´)∩
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私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。