239話 長持の中身は? なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
そして俺と恵ちゃん、呂姫ちゃんの3人は階段を登り続けた。
もちろん各階には長持があって、10円玉の階を発見し、次の階では5円玉を見つけた。
そしていよいよ1円玉があると思われる階層に到着したのだ。
「やっぱり長持があるな」
「もう中身はわかっているんですけどねっ」
「まあ、当然ね。じゃあ開けてみましょ」
そして俺たちは長持の蓋を手に掛けた。
そして開ける。
「……まあ、そうだよな」
「やっぱり1円玉がありますねっ」
「そうなるでしょうね」
そこで俺たちは部屋を見回した。
この階には先程の部屋のようなトイレや食堂などは一切ない。
なにもない部屋なのだ。
だが、あった。
「……階段はあるんだな」
「ってことは、まだ終わりじゃないってことですねっ」
「いつになったら終わるのよ。もういい加減にしてほしいわ」
それでも他に選択はない。
なので俺たち3人はやはり傾斜のきつい木造の階段をギシギシと音をたてて登るのであった。
「ちょっと待て。またあるぞ」
そうなのだ。
新たな部屋にはまた長持が置かれていたのだ。
「でも下の部屋は1円玉だったじゃないですかっ」
「……そうよね。中身がなんなのか想像もできないわ」
俺たちは互いに顔を見合わせた。
「でも、開けてみるしかないよな」
「そうですねっ。それしかないと思いますっ」
「そうよね。確認しないと気になるし……」
そういうことで俺たちは長持の蓋に手をかけた。
そこでお互いの顔を見る。
恵ちゃんも呂姫ちゃんも覚悟を決めたような顔をしていた。
もちろん俺もだ。
「じゃあ、開けるぞ」
俺の言葉を合図に蓋を一気に開けた。
「……な、なんだっ! これっ!」
「……ど、どういうことでしょうっ?」
「わ、わからないわ……。意味がわからない」
そうなのだ。
なんと長持の中には高利貸しの神:金尾集子ちゃんが横たわっていたのだ。
腰近くまで伸ばした白い髪の毛、そして呂姫ちゃんに負けないたわわな胸元。
そんな集子ちゃんが目を閉じて仰向けでいたのであった。
「息はしてるな」
「寝ているんでしょうねっ」
「……起こしてみましょ」
そう言った呂姫ちゃんが集子ちゃんを揺する。
そしてしばらくすると集子ちゃんは目を開けるのであった。
中身にびっくりなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「勇者パーティを追いかけて_~転倒魔法しか使えません~」連載中
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み