230話 二度あることは三度あるなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
そして俺たち3人は進む先がある左側の部屋に入った。
「また三方に襖があるんだな」
「また同じ展開ですねっ」
「なんだかうんざりしてきたわ」
もういい加減にしてくれって感じだ。
それでも行くしかない訳で、俺たちはそれぞれの襖へと向かう。
今度は正面の襖は呂姫ちゃん、右側が恵ちゃん、左側が俺だった。
……また俺が襖を開けたらなにかあるって展開になるのは嫌だな。
そう思いつつ、俺はそっと襖を開ける。
今度も15センチくらいだ。
「……ふう」
良かった。
なにもなかった。
部屋の中は畳があるだけで襖はない行き止まりの部屋だった。
「おい、こっちは行き止まりだったぞ」
俺は振り返って恵ちゃんと呂姫ちゃんにそう報告する。
「私の方もなにもないわ。行き止まりの部屋ね」
正面の襖を開けた呂姫ちゃんがそう言うのが聞こえた。
「……おい、そっちはどうなんだ?」
俺はまだ襖を開けてない恵ちゃんに尋ねた。
だが恵ちゃんは首を左右に振る。
「……なんか嫌な雰囲気がするんですっ。なのでまだ開けていませんっ」
「嫌な雰囲気?」
「はい。なにかいそうなんですっ」
「でも、もう私と加茂くんの方は行き止まりだから、あなたの前の襖しか行き先はないのよ」
呂姫ちゃんが言う。
「そうだな。……とにかく用心して開けるしかないだろう」
俺がそう言うと恵ちゃんが諦めたような顔になり、ため息をつく。
「……仕方ありません。でも開けるからには私ひとりじゃ嫌ですよっ。3人で開けましょうっ」
仕方ない。
俺と呂姫ちゃんは恵ちゃんの横に並ぶ。
「じゃあ、開けますっ」
ひとつ深い呼吸をして覚悟を決めたらしい恵ちゃんが襖に手をかけた。
そしてガラリと両手で開く。
「……な、な、なんじゃこりゃ~っ!!」
俺は絶叫した。
それも当然だ。開けた襖の先の部屋には想像もできなかったものが存在したからだ。
「……な、なんですか、これっ」
「……思いつきもしなかったわ」
恵ちゃんも呂姫ちゃんもそう呟いて後、絶句している。
そうなのだ。
その畳の部屋には膝を抱えて座るいわゆる体育座りをしたダイキチーナたちがいたのだった。
その数、ざっと20人ほど。
しかも全員、素っ裸だ。
たわわに実ったものを惜しげもなく晒してニッコリと微笑んでいたのだ。
……う、ぐぐぐ。
ダイキチーナは俺だ。
俺が女体化したのがダイキチーナなのだ。
そしてその容姿は、ほぼ俺の理想の女性像なのだから、自分の身体なのに自分の一部が反応してしまいそうになり、俺は理性を失いそうになってしまったのだった。
三度目なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。