23話 街です。
【毎日昼の12時と夕方の18時に更新します】
この物語は毎話毎話が短いです。
それは4コマ漫画のようなテンポの良さ、余韻を全面に打ち出しているからです。
……決して、私の手抜きではありません。
……きっと。(´・ω・`)ショボーン。
恵ちゃんは、 なんか挑戦的だった。
なので、俺はかちんと来る。
「お前が肝試し係だって?
へん。全然平気だな」
「ほー。
じゃあ当日は、
せいぜい吠え面をかかないようにしてくださいねっ」
「お前こそがんばりすぎて、
肩すかしをくわないようにな」
俺が切り返す。
「なんか加茂くんと神子さんて、
本当に仲が良いって感じだよね」
「そうね。
ちょっと妬けちゃうくらいね」
河合さんと澤井さんが、
なにやら楽しげに俺たちを見る。
「べ、別にそんなんじゃないし」
「そーですよ。
私と大吉さんは単なる幼なじみですっ」
すでに既成事実と化してしまった後付け設定を、
恵ちゃんは得意気に言うのであった。
――そして半日後。
「加茂くん。
今日の放課後さっそく買い物に行くって行ってんだけど」
帰りのホームルームも終わり、
俺は荷物をまとめて帰宅しようとしたときだった。
新井が俺に話しかけてきた。
「今日?
いきなりだな」
「だって明日出発だよ。
仕方ないよ」
見れば教室のドア付近に恵ちゃんと澤井さん、
そして河合さんが俺を手招きしているのが見えた。
「仕方ない。
行くか」
俺は新井と共に女性陣が待つ場所へと向かった。
「せっかくお昼に放課後になったんだから、
街の見物も兼ねて買い物に行こうって話になったんだよ」
河合花菜さんがそう言う。
確かに今日は入学初日なので特に授業もない。
寮にまっすぐ帰ってもすることもないし、河合さんの提案は説得力がある。
「このまま行くのか?」
「別に制服でもいいじゃないかしら。
明日の準備の買い物をするわけだし、買い物係としてはそれがいいと思うわ」
買い物係の澤井遙香さんも行く気満々のようだった。
「うーん。
ま、いいけど」
俺がそう答えると、
それが合図になって俺たち五人組は街に出ることになった。
そして駅前繁華街に到着したのであった。
「ふう。
疲れたしお茶にしない?」
バーガーショップの前で河合さんがそう提案した。
「いいわ。
結構歩いたしね」
澤井さんも乗り気のようだ。
「僕も」
訊いてもいないのに新井もそう答える。
「……むむむ。
ちょっとわくわくです」
俺の袖を掴んで恵ちゃんがそう言った。
「わくわく? なぜだ?」
俺が問うと恵ちゃんがにんまりと笑顔を見せたのだった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。