229話 今度は気をつけなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「こっちは行き止まりですっ。部屋しかありませんっ」
正面の襖を開けた恵ちゃんがそう報告するのが聞こえた。
「こっちは……。また襖があるわ。正面と左右にね」
呂姫ちゃんの開けた襖が正解なのだろうか。
少なくとも道は続いているようだし。
「じゃあ俺も開けるぞ」
俺は慎重にゆっくりと右側の襖を開けた。
中が見える程度でいいので、ほんの15センチほど。
「……げ」
俺は襖をパタンと閉めた。
「なにがあったんですかっ?」
「そっちはどうだったのよ?」
恵ちゃんと呂姫ちゃんから質問が飛ぶ。
「……あ、ああ。ああ、うん。なんでもない。そう、なんでもないぞ」
俺は正直には言えなかった。
なので誤魔化してみた。
だが、そんな誤魔化しは二人の女神たちには通じない。
「ああっ、なにかあったんですねっ」
「見せてみなさいよ。隠し事がよくないわ」
そう言って恵ちゃんと呂姫ちゃんはツカツカと俺の方へと寄ってきた。
そして俺を素通りして背後の襖に手をかけようとする。
「……俺は止めたからな。俺の責任はないぞ」
観念して俺はそれだけを呟く。
部屋の中を見て二人の女神たちがどう反応しようが俺にはもはや知ったことじゃない。
そして二人は襖がガラリと開けるのであった。
「ぎ、ぎ、ぎや~っ!!」
「なによ、これ。今度は神子恵ってこと?」
そうなのだ。
この部屋にはたくさんの恵ちゃんがいたのだ。
それもやっぱり素っ裸で気をつけをして並んで立っているのであった。
エロいと言うよりも、ロリい。
「み、見ないでくださいっ~!」
恵ちゃんはあわあわと両手両足を動かして、少しでも部屋の中が見えないようにしている。いちおう目隠しのつもりなんだろうけど、小柄で本当にささやかな胸をした幼い容姿を持つ恵みちゃんズすべてを隠せるはずがない。
なので俺の目にはしっかり裸の恵ちゃんたちの姿が焼き付いてしまった。
……それにしても、ホントに小さい女の子なんだな。
俺はそう思った。
いや、胸のことじゃない。……確かに胸も小さいが。
俺が言いたいのは小柄ってことだ。
見た目は小学生とも言える恵みちゃんなのだから、小さくて当たり前なのだが、それ以前に華奢なのだ。
腕も足も折れそうはほどに細いし。
「し、閉めますっ!」
ようやく解決策に思いついた恵ちゃんは襖をピタリと閉めた。
最初からこうしておけば被害は少なかっただろうが、それに思い至らないほど慌てていたようだ。
「と、とにかくだ。先に進もう」
「そ、そうですねっ。……忘れてくださいねっ」
「なにがだ?」
「今見たものですっ。私だって恥ずかしいんですよっ」
そう言った恵ちゃんの顔は真っ赤だった。
ロリ寸前だったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。