227話 襖地獄なのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
仕方がないので俺たちは元の板張りの廊下に戻った。
「もっと奥まで行ってみましょうっ」
「そうね。その方がいいわね」
「だな。行ってみるか」
そして歩き出す。
そして次の襖があった。
「どうしますっ?」
「見てみる方がいいんじゃないかしら?」
「そうだな。臥留子ちゃんがどこにいるのかわからないんだからな」
そして俺たちが互いに頷くと恵ちゃんが襖を開けた。
「……なにもありませんねっ」
「そうね」
「だな」
その部屋も畳だけでなにもない広い部屋だった。
「正面と左右にも襖がありますねっ」
「隣の部屋とつながっているのかしら?」
「じゃないのか? ……行ってみるか」
互いに頷くと俺たちは部屋へと入った。
「どの襖を開けますかっ?」
「……迷うわね。全部開けてみる?」
「そうだな。開けてみよう」
俺たちは三人で手分けして、それぞれの襖を開けてみることにした。
正面は恵ちゃん、右側が呂姫ちゃん、そして残った左側が俺だ。
俺は左側の襖をガラリを開けた。
するとそこはこの部屋と同じで畳しかない大きな部屋だった。
だが、その正面、左右は壁で行き止まりだ。
「こっちは行き止まりだぞ」
俺が恵ちゃん、呂姫ちゃんにそう言う。
「こっちもよ」
呂姫ちゃんから返事が返ってきた。
「こっちは続きがあります。襖が3箇所ありますよっ」
恵ちゃんからの回答だった。
なので俺と呂姫ちゃんは恵ちゃんのところに行く。
「また三方の襖か……。どうすんだ?」
「また手分けして開けてみましょうっ」
「そうね。それがいいわね」
そして俺たち3人は、またそれぞれの襖を開けるのだった。
「こっちにはまた襖がありますっ。奥に続いているようですっ」
左側の襖を開けた恵ちゃんがそう口にする。
「こっちは部屋だけ。行き止まりね」
正面の襖を開けた呂姫ちゃんがそう報告する。
俺は右側の襖を明けた。
「うおっ……!」
俺はとっさの判断で襖を閉めた。
「なにがあったんですかっ?」
「そっちはどうだったの?」
おそらく青い顔をしているだろう俺を見て恵ちゃんと呂姫ちゃんが問いかけてきた。
「……こ、ここはダメだ。入らない方がいい」
俺は襖を厳重に閉ざしてから振り向いてそう言うのだった。
果てしなく続く襖地獄なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。