218話 してやられたのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「おいしいですねっ」
「なかなかうまいな」
俺たちは串団子と五平餅を楽しんだ。
どちらも素朴な味付けで凝った作りじゃない。
だけどそれが逆に味わいがある。
いかにも昔ながらの味を守っています、と言った雰囲気も感じられる。
こういうのも悪くない。
「串団子の焦げた醤油の味がいいよね」
「五平餅の味噌ダレもいい味だわ」
「……おいしい」
河合さんも澤井さんも、どうでもいい新井も満足そうで実にうまそうに食べている。
そんなときだった。
「私、ちょっとお手洗いに行ってきますっ」
恵ちゃんがそう行ってトイレの方へと行ってしまったのだ。
あ、俺も行こうかな?
そろそろ行きたいと思ったいたのだ。
すると向かい側の席に座っていた河合さんと澤井さんが同時に立ち上がった。
「二人もトイレ?」
俺がそう尋ねると河合さんと澤井さんがそろって首を振る。
「違うよ」
「席を移動するのよ」
そう言った二人は今は俺しか座っていないベンチへと腰掛けた。
それも俺の両隣である。
「な、なんだ?」
慌てる俺にお構いなく河合さんと澤井さんは、距離を詰めてきた。
そして皿に手を伸ばす。
「加茂くん、串団子食べて」
「五平餅も食べてほしいわ」
そう言って俺の口の前に食べ物を寄せたのだ。
しかも余った手で俺の腕を引き寄せる。
俺の腕には二人の柔らかいモノが接触した。
う、ぐぐぐ……。
やべえ柔らけえ。
「さ、あーん」
「あーんして」
俺は口を開けてしまった。
そこに串団子と五平餅が次々と入れられる。
俺は仕方なく咀嚼する。
「も、もう食べられないから……」」
「そうなの?」
「あら、じゃあ私たちを堪能してね」
そう言って河合さんと澤井さんは両手を使って俺の腕を抱きしめる。
胸の膨らみがより一層押し付けられた感じだ。
う、ぐぐぐ……。
……こ、これは絶対に神力だ。
「……あ、そう言えば……」
やられた。
俺は恵ちゃんの姿を探すが見当たらない。
そう言えばさっきトイレに行くって言ってが、これは作戦に違いない。
恵ちゃんは二人に神力を使って俺を誘惑させている。
そして俺から責められないようにトイレに行くって言って逃げたな。
俺の手刀を防ぐための作戦だろう。
う、ぐぐぐ……。
げ、限界だ。
万事休す。
俺の一部が俺の理性に逆らって反応し始めている。
そしてそんなときだった。
「「キャーッ……!!」」
突然、河合さんと澤井さんの悲鳴が上がったのだ。
してやられてしまったのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。