21話 班決めです。
【毎日昼の12時と夕方の18時に更新します】
この物語は毎話毎話が短いです。
それは4コマ漫画のようなテンポの良さ、余韻を全面に打ち出しているからです。
……決して、私の手抜きではありません。
……きっと。(´・ω・`)ショボーン。
「そうです。
林間学校です」
若杉先生が、
そう発表した。
「……明日から一週間、
高原の避暑地で泊まりがけの体験授業を行うことに決定しました」
クラス中がどよめいた。
いきなりな話である。
更に先生の説明が続く。
「さっき緊急職員会議がありました。
それで急に決まったのです」
先生はちょっと困り顔だった。
察するに上の方で勝手に決めた話のようである。
「……それでは班決めを行います。
えーと、河合花菜さん、よろしくね」
そう言って先生は学級委員の河合さんに紙を渡した。
河合さんはそれをじっくりと見ると先生に質問した。
「一班につき、
五人ですね?」
「ええ。
このクラスは三十五人いるから、
ちょうど七班になるわね」
「じゃあ、
くじ引きにします」
河合さんはそう答えるとノートをびりびりっとちぎって、
くじ引きの用意を始めたのであった。
――そして三十分後。
「……冗談だろ」
俺は小声でそうつぶやいた。
俺の班は学級委員の河合花菜さん、そして澤井遙香さん、
もうひとりが当然にように神子恵ちゃん、
そして男子では孤独そうに見える新井慎一と言う組み合わせだった。
「お前の仕業か?」
俺は斜め前の恵ちゃんを見た。
すると恵ちゃんはそっぽを向いて音程外れの口笛を吹く。
どうやら神力の使用に間違いないらしい。
その後、席を移動して俺たちは、
班ごとにミーティングを行った。
「班長は、
河合さんが良いと思うわ」
澤井さんがそう提案する。
俺ももちろん異存はない。
なんてったって学級委員なのだから適任だろう。
「わかった。
じゃあ買い物係は澤井さんでいいよね?
なんかしっかり者って感じだし」
河合さんの言葉に、
澤井さんは頷いた。
「いいわ」
「よし、決まりだね。
えーと、連絡係は新井くんでいい?」
「……僕?」
暗い感じの新井がそう答える。
が、不満ではない様子だ。
「清掃係は、
……じゃあ、加茂くんでいい?」
「まあ、いいよ」
俺は答えた。
誰もがなんかしらの係にはつかないとダメらしいので、
俺はそれでも構わないと思った。
「じゃあ、
残った肝試し係は神子さん、いい?」
「いいですっ」
恵ちゃんが、
満面の笑顔でそう宣言した。
「ちょっと待ったあっ」
俺は叫んだ。
「どうしたの?」
澤井さんが俺を見る。
もちろん班長の河合さんもだ。
「その肝試し係ってのは、
なにっ?」
俺は嫌な予感がしながら質問するのであった。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。