208話 取りつ取られつなのです。
基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「キャーッ……! な、なんなのよ、コレ?」
驚いた。
悲鳴をあげたのはなんと呂姫ちゃんだった。
呂姫ちゃんは黒いタンクトップ姿だったのだが、それがなくなっていた。
いや、そればかりではない。
下着までなくなっていたのだ。
「どーして、私なの? って言うか、どーして私の場合は服と下着の両方が消えるのよ!?」
たわわな胸を手で隠しながら呂姫ちゃんが叫ぶ。
「呂姫は立派だから」
それが理由なのだろう。
正直言ってあまり豊かでない秀子ちゃんは胸の大きさを気にしていたらしく、なので八つ当たりも兼ねて呂姫ちゃんの下着まで奪ったようだ。
「それ、私の責任じゃないわよね?」
顔を真っ赤しながら呂姫ちゃんが訴える。
「うん。ただのやっかみ」
そう素直に答える秀子ちゃんであった。
「なんたるわがまま。……こうなったら加茂くん、なんとしても得点してね!」
力強い視線で俺に訴える呂姫ちゃん。
……う、ぐぐぐ。
俺はその呂姫ちゃんを直視できなかった。
たわわを隠している仕草もそうだが、それ以上に照れて真っ赤になっている呂姫ちゃんの顔がどストライクだったのだ。
「わ、わかった。やれるだけやる」
そう答えた俺は気を取り直してパックをマトックで打つ。
もちろん斜めに打って壁に跳ね返るやり方である。
そしてしばらく応酬があった後、俺の打ったパックが秀子ちゃんのゴールに突き刺さった。
「やったわ。もとに戻った」
見ると呂姫ちゃんの姿が元の黒いタンクトップ姿に戻っていた。
「さあ、まだやる」
そして次に俺がミスしたときだった。
マトックで秀子ちゃんの攻撃のパックを弾いたのだが角度が悪くてゴールされてしまったのだ。
「……今度は……ワタクシ……」
見ると臥留子ちゃんが呟いていた。
だが見たところ浴衣姿のままだったので脱がされた感がない。
「……私の場合……下着だけ抜かれた……スースーする」
どうやら臥留子ちゃんの場合は上に着ている浴衣ではなく、中の下着だけを脱がされたようだ。
「わかったから、取り返すよ」
俺はがんばって秀子ちゃんからゴールを奪い、無事に臥留子ちゃんの下着を取り戻したのだった。
だが勝負はまだ続く。
そして今度の俺のミスで迷惑を被ったのは集子ちゃんだった。
「ふぉふぉふぉ……? い、いやーっ!」
ジジイ声から急に少女らしい声を出した集子ちゃんだったのだが、見ると驚いたことに着ている服が全部なくなっていた。
つまり全裸になっていたのである。
取ったら取り返すのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。