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203話 まるで脱衣麻雀なのです。

これからは基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。


 

「じゃ、じゃあやるぞ」




 俺はそう言ってクレーンを操作し始めた。

 ボタンを押してクレーンを真横に動かして、更に別のボタンを押して奥へと移動させる。目標にしたのは逆さまの向きで置かれているイヌのぬいぐるみだ。




 ……行けそうだな。




 そう思った。

 クレーンの位置がちょうどいい感じになったのだ。

 後はアームを操作するだけだ。




 ――そのときだった。




「キャーッ……」

「イヤーッ!」




 突然の悲鳴が響いた。

 俺はとっさにクレーンを操作するタイミングをミスってしまう。




 そのためせっかくゲット可能であったイヌのぬいぐるみが取れなくなってしまったのだ。




「……なっ!」




 悲鳴の原因はなんだろうと振り返った俺は、そこで動きが固まってしまった。

 それもそのはずである。

 あろうことか、河合さんと澤井さんの上半身の下着がなくなっていたのだ。



 つまり、ポロリである。




「ひどいよっ~」

「見ないでっ!」




 河合さんはむき出しになってしまったそのたわわを必死に右手で隠している。

 そして澤井さんはやや控えめなその果実をやはり右手で見せないようにしているのだ。




「な、なにが起こった?」




 俺は動揺した。

 それも無理はないだろう。




 いや、原因はわかる。

 四女神たちが首を横に振り続けていることからして、犯人は秀子ちゃんだ。




 だが、その真意がわからない。




「さっき加茂はミスをした。だから彼女たちの服が一枚消えた」




「ええっ?」




 とんでもないことを言う。

 そもそも前回のミスだって秀子ちゃんが河合さんと澤井さんを下着姿にしたことに驚いてしまったことが原因だ。




 ……なんていうマッチポンプ……。




 もはや無茶苦茶な論理だった。

 ……まるで脱衣麻雀じゃねーか。



 俺は昔流行った麻雀ゲームを思い出していた。

 それは相手の女性に勝つたびに相手を一枚ずつ脱がすことができるものだ。

 それと同じ図式がここで行われていることを理解した。




 そしてだ。現実は厳しい。

 俺は今のミスでぬいぐるみを落としてしまった。

 これで次に秀子ちゃんがぬいぐるみをゲットしてしまえば、また俺の負けになる。



 つまり最後に残っている河合さんと澤井さんの下着がなくなることを意味する。




「さあ、私の番」




 そう言われた俺は秀子ちゃんに場所を譲った。

 秀子ちゃんはコインをマシンに投入する。




「次はあなたが落としたイヌのぬいぐるみを取る」




 そんな挑発的な言葉を吐くのだった。




脱衣麻雀なのです。(`・ω・´)∩



 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。


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