202話 意味不明な依頼なのです。
これからは基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「な、な、なんなんだっ?」
俺はそう言いながらも恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんを見た。
だが四人は首を真横にふるふると振っている。
どうやら、私たちのせいじゃないと言いたい様子だ。
まあ、こんなわかりやすいことで嘘をつくとも思えないので俺は信用する。
……だとすると。
犯人は秀子ちゃんだろう。
残る神様は秀子ちゃんしかいない。
なので神力を使ったのだろう。
で、その下着姿にされた河合さんと澤井さんなんだが、どうも様子がおかしい。
最初はその姿にされたことで悲鳴をあげていたのだが、次第に目がとろんとなっていったのだ。
なんだか妙に色っぽい。
「……ねえ、負けないでね」
「お願いよ」
なんか熱い目で俺にお願いしてくるのだ。
しかも意味がわからん。
「お、おう」
とりあえず俺はそんな間抜けは返答をする。すると
秀子ちゃんがコインをクレーンゲームに投入してプレイを始めた。
「お、おい」
俺はこの下着姿の事態の真意を聞こうと思って秀子ちゃんに声をかけた。
「プレイに集中」
だが返ってきたのはけんもほろろな答えだった。
そしてクレーンが動き出し、奥の方にあるクマのぬいぐるみに向かうのがわかった。
「アレを取るのか?」
ちょっと難易度が高すぎだろうと俺は思った。
なぜならばそれはガラス板によりかかるようになっており、アームで掴める面積が少なすぎるだろうと思ったからだ。
「できる」
だが秀子ちゃんは自信満々のようで、クマのぬいぐるみの真上にクレーンを移動させ、アームを展開させたのだ。
「あ、やるな」
角度が良かったようでアームの一本がガラス面を滑るように降りていき、しっかりとぬいぐるみを捕獲したのだ。
そしてクレーンはその後も安定して動き出し、スタート位置まで無事に戻る。
つまり秀子ちゃんはクマのぬいぐるみをゲットしたのだ。
「もうコツを掴んだようですねっ」
「恐ろしい子」
「……さすがは……遊戯の神……」
「ふぉふぉふぉ。やるのう」
四女神たちの称賛が秀子ちゃんを包んだ。
「あなたの番」
言われて俺はコインを握る。
「お願いね」
「頼んだわ」
すると未だに下着姿のままの河合さんと澤井さんが俺にそう頼んでくる。
純白の下着姿の河合さん、水色の下着姿の澤井さんが眩しい。
……しかし、いったいどういう意味だ?
二人はなぜ俺に負けないように頼むのだろう?
俺はそんな疑問を抱えたままコインを機械に投入するのであった。
頼まれる理由が不明なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。