193話 千日手なのです。
所用により、これからは基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「これから真剣に一対一での勝負にする」
「一対一? どうやって?」
「こうする」
すると俺の見ているモニターの下部に上に向いている状態の自機と画面上部に真下に向いている秀子ちゃんの自機が対峙していた。
真横の秀子ちゃんのモニターを見ると俺のとは逆で俺の自機が画面上部で真下に向いて位置していた。
つまり互いに真正面から向き合っている状態となっているのだ。
「ホントに一対一で対決ですよっ」
「うーん。これなら確かにフェアね」
「……相手にとって不足なし……問題もなし……」
「ふぉふぉふぉ。やるのう」
確かに見事なシステムへの介入だった。
本来あり得なかったプレイヤー同士が一対一で戦う状況をしっかり実現させてしまったのだ。
「エンディングの画面、きれいだな」
「テーマ曲もいい感じだ」
「すっきりとしたラストだったな」
「ああ。どっちも見事だった」
ギャラリーの方々がそんなことを口走っている。
どうやら神力で全然違うものが見えているようだ。
「じゃあ、始める。準備はいい?」
「わかった、わ」
俺が返事をすると秀子ちゃんが自機を動かして攻撃を仕掛けてきた。
このゲームの自機での攻撃は直線的のみのものなのでコースを読めば避けるのはそれほど難しくはない。
だが、秀子ちゃんは自機を左右に滑らせながらの攻撃なので、多方面に弾幕を張る状況での攻撃をしてきたのだ。
「くうぅぅぅ」
俺は必死で自機を滑らせて弾幕を避ける。
と、同時に俺も弾幕を張り、秀子ちゃんを攻撃する。
……ちっ。
被弾した。
わずかだが秀子ちゃんの攻撃が当たってしまった。
そのため俺の自機から白い煙がわずかだが漏れ始めた。
「……やるわね」
だがそれは秀子ちゃんも同じだったようで、俺の攻撃が当たっていて俺と同じように白い煙をわずかに吹いている。
そんな攻撃を互いになんどか繰り返した。
最初は始めてのパターンのゲームなので戸惑ったが、慣れてくると相手の弾幕も読めるようになり、互いに攻撃を受けなくなり始めていた。
こうなると千日手である。
どちらがどう動いても決着がつかないのである。
「……なら、使う」
そんなとき、突然に秀子ちゃんがポツリと言葉を漏らすのであった。
手詰まりなのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。