188話 やはり介入していたのです。
所用により、これからは基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
そしてラスボスが登場した。
ラスボスの姿は一言で言えば『ウニ』。
ウニ型の空中要塞なのだ。
ウニとしか言えない黒くて全身棘だらけの巨大な姿をしている。
そしてその棘のひとつひとつから対空砲火を発射すると言ういやらしい攻撃方法を取るのだ。
俺と秀子ちゃんはそれぞれ得意の空域まで自機を飛ばすとそこから猛然と攻撃を始めた。そしてそれに呼応するかのようにウニからも激しい対空砲火が発射される。
俺と秀子ちゃんはウニのトゲトゲの先端部を狙う。そこは対空砲火の発射口になっているので、そこを叩けば砲火が止まるのだ。
「定番の攻めだな」
「確実だからな」
「それにしても効率良く攻められるな」
「被弾も少ないし、行けるな」
ギャラリーの方々から温かい支援の声がかけられる。
「いい感じなんですっ」
「悪くないわね」
「……安全……確実……な、方法……」
「ふぉふぉふぉ。さすがよのう」
四女神たちからも好評のようだ。
だが、俺には不安がある。
それは秀子ちゃんとの得点差だ。
今、俺は効率よくラスボスのウニの対空砲火を潰している。
だがそれは秀子ちゃんも同じなのだ。
二人が同じペースで功績をあげても得点差が縮まる訳がないのだ。
……どうするか……。
俺は悩みながらも攻撃を続けた。
そして約半数のトゲトゲを無力化させた頃だった。
突然、BGMのボリュームが上がったのだ。
それはラスボスのテーマ曲でおどろおどろしい曲だった。
……いったいなにが?
俺は画面全体を注視した。
……げ!
驚愕した。
「はわわっ。もう一匹出てきちゃいましたっ」
「そんなことって……。そうか、秀子の神力ね」
「……やはり……介入してた……」
「ふぉふぉふぉ。やりおるのう」
そうなのだ。
通常ラスボスは一機のみなのである。
ところが画面隅からもう一機同型のウニの空中要塞が登場して来たのだった。
「マ、マジッ……!?」
「楽しめるでしょ?」
俺が驚きの声をあげると秀子ちゃんがほくそ笑むように答える。
ラスボスが増えた。
そして得点差がある。
俺はそれを瞬時に判断し、自機を画面中央まで進めた。
……やるしかない。
――殲滅ボム。
俺は殲滅ボムを放った。
すると画面全体が爆発の影響で真っ白となるのだった。
やはり秀子ちゃんは介入していたのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。