187話 最終面なのです。
所用により、これからは基本一日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
画面が切り替わった。
いよいよ最終面だ。
得点は相変わらず秀子ちゃんの方に差をつけられている。
なんとしても挽回したいところだ。
「最終面も見た目は同じですねっ」
恵ちゃんがモニタを見てそう言う。
確かに今までの神力が介入する以前と同じように見えた。
(この場面では神力で介入していないのかしら?)
呂姫ちゃんがそう念話で問う。
それは俺も思っていることだ。しかし見た目は変わりない。
(……用心は……した方がいい……)
臥留子ちゃんが不安そうに言う。
俺も同じように不安は感じている。なぜならば現時点での見た目だけしか確認できないからだ。
(ふぉふぉふぉ。まあ心配し過ぎるのも問題じゃ)
集子ちゃんは心配しすぎるなと言う。
それも確かにそうだろう。
「正直どうなの? なにか仕込んだの?」
俺はズバリ、秀子ちゃんに質問してみた。
「……それはこれからのお楽しみ」
だが返ってきたのは、肯定とも否定とも取れるような曖昧な回答だった。
「さあ始まるぞ」
「どんな展開になるんだろうな」
「楽しみだ」
「期待しちゃうぜ」
ギャラリーの方々が口々にそう言うとそれが合図になったかのように、最終面が始まった。
画面上部、つまり進行方向から横一列になって雑魚戦闘機がびっしり出現した。
これは本来のゲームと同じだ。
俺と秀子ちゃんはそれぞれ自機を操作して各個撃破して行く。
「オーソドックスな展開だな」
「これはお約束どおりだな」
「見事だな。被弾がひとつもない」
「狙いが正確だな」
ギャラリーの方々からは、そんな声が出ている。
俺はそんな中、敵機を一機ずつ丁寧に撃墜して行く。
「やるね」
「ありがと」
秀子ちゃんが俺に話しかけてきたので、俺は返事をする。
そんな秀子ちゃんだが、動きにまったく無駄がなくポイントを確実に増やしている。
なので俺も負けじと食らいつく感じで撃墜数を稼ぐのであった。
そんな感じでゲームは進んだ。
途中には先程の画面に登場した中ボスの重爆撃機も数機登場したが、瞬く間に撃墜させた。
このとき俺の方が多く落とせたので、わずかだが得点差が縮まったのだった。
「そろそろ終盤ですっ」
「そうね。ラスボスが出そうね」
「……ラスボスが……どういう風に……登場するかが……謎……」
「ふぉふぉふぉ。このまますんなりとはいかんのじゃろうな」
恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんの四女神が嫌なフラグが立ちそうなことを口にするのであった。
いよいよ最終面なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。