174話 慣らし運転なのです。
所用により、これからは基本一日置きの更新とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
「おはよう」
「うん。おはよう」
俺たちは秀子ちゃんに挨拶した。
今日の秀子ちゃんは白いTシャツにデニム地のオーバーオールと言うスタイルだった。
基本、楽な格好が好みらしい。
そして俺たちは通用口を開けて店内へと入る。
店内はまだ照明が少なくて薄暗い。
そんな中、店の一角に設けられた特別ブースに近寄る。
そこにはハイエンドのゲーミングPCが二台あり、大型のゲーミングモニターもステアリング、ペダル類、ヘッドセット、ゲーミングチェアも二つずつしっかり用意されていた。
「調子を確かめてくださいね」
店長さんがそう言ったので、俺と秀子ちゃんは椅子に座り、各機器の調整をしてPCを起動させた。
そしてOSが立ち上がり終えると、カーレースゲームを起動させるのであった。
「まずは軽めに流してみようか?」
「うん。そうね。それで機器の様子を見る」
俺が提案すると秀子ちゃんが同意した。
そして俺たちはそれぞれの車をゆっくりと走らせた。
後続の車たちに次々と抜かれるが気にしない。
なぜなら今は調子を確かめているだけだからだ。
「不具合はなさそうだな」
「ない。完璧」
数周コースを流してみたが、車の挙動も各デバイスにも問題はない。
「大丈夫みたいですねっ」
「これなら問題ないわ」
「……異常なし……」
「ふぉふぉふぉ。ノートラブルじゃのう」
恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんたちがそう発言した。
■
そして開店時間。
今日もギャラリーの方々はいっぱいいた。
前回のゾンビゲームでの最後の飛び入りでプレイした秀子ちゃんはやはり注目の的だった。
「天才ゲーマーらしいぜ」
「ああ。しかもダイキチーナちゃん以上って話だ」
「俺、動画配信見て、今日ここに来たんだ」
「ゲーマー美少女、最高っ!」
と、非常に盛り上がっている様子だった。
「それじゃプレイしますね」
俺がそう宣言し、ゲームのオープニング画面を起動させた。
そして俺は赤い車、秀子ちゃんは青い車を選択しゲームが始まったのだ。
■
最初の一周は俺も秀子ちゃんも慣らしだった。
なので後続車にどんどん抜かれてしまう。
「大丈夫ですかねっ?」
「あの二人よ。心配ないわ」
「……問題ない……」
「ふぉふぉふぉ。そのうちゴボウ抜きするじゃろうて」
四女神たちがそうつぶやくのが念話となって聞こえてくる。
(大丈夫。次の周からホンキ出すから)
(同じく。だから無問題)
俺と秀子ちゃんは念話で四女神に返事をするのであった。
これからホンキを出すのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。