173話 ダイキチーナへの変身なのです。
所用により、これからは基本一日置きの更新とさせて頂きます。
すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
――俺の家に来て、事前にプレイしてみませんか?
そんな内容を秀子ちゃんにメッセージしてみた。
だが、内容はそっけないものだった。
――遠慮する。いきなりの方がおもしろいから。
だとさ。
まあ、必ずしも事前プレイが必要って訳じゃないし、相手は遊戯の神様なのだ。
そんなことをしなくても十分プレイできるのだろう。
そうそう。
PCショップの店長さんから連絡が来た。
できれば次回の休みの日に来てもらいたいらしい。
俺は問題ない。
そして恵ちゃんを始めとした四女神、更には秀子ちゃんも大丈夫だったので、店長さんにはオッケーの返事をしておいた。
その後、俺は自習って訳じゃないが、カーレースのゲームをひとりでプレイし続けた。
おそらく遊戯の神様である秀子ちゃんはとてつもなく上手だろうから、せめて足を引っ張らないくらいにレベルを上げる必要があったからだ。
「前よりもタイムが良くなっていますねっ」
「以前に集子ちゃんとプレイしたときよりもミスも減ってるわ」
「……上達した腕を……披露するのは……良いこと……」
「ふぉふぉふぉ。もうワシでは勝てないのう」
恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんがそう評価してくれた。
正直、素直に嬉しい。
ちなみにこの練習動画もBeeeTubeへアップしている。
おそらくたぶんこの動画も再生数は稼げるだろう。
「ああ、やっぱりですっ。再生数は百万を超えましたっ!」
動画をアップして二時間後のことである。
「やっぱりダイキチーナは人気あるな」
「他人事みたいに言ってるけど、これ加茂くんのことよ」
呂姫ちゃんがそう指摘する。
「そうは言っても容姿が俺じゃないから、実感ないんだよな」
「……それはわかる……。でも……プレイしているのは……大吉さん本人……」
「ふぉふぉふぉ。確かに実感はないじゃろうな」
そんなこんなで毎日が過ぎて行くのであった。
■
そしてPCショップでのデモプレイの日がやって来た。
俺たちは開店前に店の通用口前に集合した。
俺と恵ちゃんが到着すると、すでに呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんは到着していた。
「すまん。遅くなった」
俺がそう言うと呂姫ちゃんが笑顔になる。
「大丈夫よ。私たちも今来たばかりだから。……それよりもみんなで加茂くんを囲んで」
呂姫ちゃんに指示されて、しゃがんだ俺の周りに呂姫ちゃん、恵ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんが囲んだ。
「……いい? いく……」
そして臥留子ちゃんが空中にゆらゆらと手を伸ばして印を切る。
するとボフンと白煙が立ち、俺の体が加茂大吉からダイキチーナへと変化した。
「今日の衣装は以前に来た黒いTシャツ姿にするわね」
同じように呂姫ちゃんが印を切り、神力を発動させる。
すると俺の服は白い文字で『だいきちーな』と書かれた黒Tシャツ姿へと変わった。
「これで準備オッケーですねっ」
「ああ。ちょっと不安だったけど、問題なかったな」
そうなのだ。
いつもなら神武寮の部屋の中でダイキチーナに変化させるのだが、今日は女神たちに用事があって、店の前で変身することに決まっていたのだ。
幸い誰にも見られることはなかった。
……もっとも神力を発動させているから、目の前で見ていても一般人にはなんのことかもわからないのだが……。
「おまたせ」
そう声が聞こえた。
見ると遊戯の神、遊戯秀子ちゃんが登場したのであった。
大吉さんは練習熱心なのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。
私の別作品
「生忌物倶楽部」連載中
「夢見るように夢見たい」完結済み
「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み
「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み
「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み
「墓場でdabada」完結済み
「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み
「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み
「空から来たりて杖を振る」完結済み
「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み
「こころのこりエンドレス」完結済み
「沈黙のシスターとその戒律」完結済み
も、よろしくお願いいたします。