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170話 決着なのです。

所用により、これからは一日置きの更新とさせて頂きます。

すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

「とりゃ~っ!」




 そんな掛け声を出しながら秀子(しゅうこ)ちゃんは警察官をジャンプさせて空中で回転させながら伸ばした足でラスボスのゾンビの頭を蹴りつけた。




 ……ローリングソバット!?




 そうなのだ。

 回転しながら空中を飛び回し蹴りを浴びせたのだ。




 ヴボボボボッ……。




 ラスボスがうめき声を上げながらのけぞった。




「ダイキチーナ。援護を」




「わかったわ」




 俺はサブマシンガンをラスボスの二本ある右手に集中して弾着させる。

 するとその腐った腕が飛び散った。




「行く」




 そう宣言した秀子ちゃんは警察官を再び空中に飛ばせた。

 そしてラスボスの脳天に強力な踵落としを浴びせたのだ。




 ヴボボボボッ……。




 これは相当ダメージがあったようだ。

 ラスボスのゾンビがうめき声をあげて、頭を垂れて両膝をわずかだがついたのだ。




「おおっ!」

「まさか打撃系の技だけで……」

「なんなんだ、この少女は?」

「信じられん……」




 観客の方々から驚きの声があがる。




 ラスボスのゾンビの再生力は、どうやら被ダメージと関係があるようだ。

 その証拠に今の踵落としを食らった直後に俺が吹き飛ばした右手は回復していない。




「ダイキチーナ。左手を」




「わかったわ」




 俺はサブマシンガンを使って、ラスボスの残る左手二本を射撃した。

 腐肉が飛び散り、瞬く間に腕二本が消えていく。




「行く」




 そう宣言した秀子ちゃんは、元は四本あった腕のすべてを消失したラスボスのゾンビに向かって走り出した。




 そして身の丈三メートル以上はあるラスボスの背後に回ると、その身体を抱きかかえ持ち上げた。




「トドメ」




 ラスボスの身体がフワリと浮いた。

 そしてそのまま持ち上げた状態で後方へと投げ落としたのだ。




 ヴボボボボッ……。




 後頭部から地面に叩きつけられたラスボスが断末魔の叫びをあげた。

 そしてそのまま動かなくなる。




「……投げたよ」

「バックドロップだよな……」

「有り得ん……」

「すげえ……」




 観客の方々は、もはや唖然としていた。




「終わった」




 そう宣言した秀子ちゃんはコントローラーを置き、ヘッドセットを外して席を立った。

 その身体はやはり小さい。小学校三年生くらいにしかやっぱり見えない。




「お疲れ様。急遽の参戦、ありがとう」




「いい。呂姫だと間違いなくゲームオーバーになっていたから」




 俺が労うと秀子ちゃんはそっけなく答えた。

 どうやら愛嬌はほとんどない性格らしい。




「しっかし、驚きましたっ! まさか秀子ちゃんが現れるとはっ」




「そうね。私も予想外だったわ」




「……でも……私たち四女神でゲームばっかりしていたから……出現の……可能性はあった」




「ふぉふぉふぉ。問題はこれでなにを対価に要求するかじゃな」




 恵ちゃん、呂姫ちゃん、臥留子ちゃん、集子ちゃんがそれぞれ感想を言う。




「対価?」




「はい。そうなんですっ。遊戯の神である人間名:遊戯秀子ちゃんは遊びを助けてくれるんですが、それに見合った対価を必ず要求するんですっ」




「……なんてこったい」




 ……いったいなにを要求してくるのかわからんが、俺たちに渡せるものなんてほとんどないぞ。




「いい。対価はこの店は払ってくれる」




「店が払ってくれるって言っても、小学生だとバイト料は出ないぞ」




 そうなのだ。

 この秀子ちゃんを急遽ウチらのメンバーに加えること自体はできるのだが、小学生はアルバイトが法律上できない。

 なので秀子ちゃんにバイト料は出せないのだ。




「なら、小学生を辞めればいい」




 そう答えた秀子ちゃんは突如印を切った。




「うおっ!」




 そうなのだ。

 見た目小学三年生だった秀子ちゃんが、いきなり高校生の身体へと進化したのだ。

 背は伸び胸やお尻も進化して、すっかり見た目は高校生となっていた。




 ただし背丈は恵ちゃんよりも大きいくらい。

 ちょうど臥留子ちゃんと同じくらいだった。




「これなら高校生。バイト料はもらえる」




「確かになあ……」




 確かにこれなら高校生で通る。




 ……だが待てよ。




 俺はそこで周囲を見た。

 ここには観客の方々だけでなく、店長さんを始めとした店員さんたちもいるのだ。

 彼らにはどう見えたのだろうか?




 ……え? 無問題?




 そうだった。

 登場自体からして神力を使っていた秀子ちゃんだったので、今更身体を大きくしても誰も不思議に思わない状態になっていたのだ。




 つまり神力ですべてをごまかしたのだ。




ひたすら神力だったのです。(`・ω・´)∩




 


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。



私の別作品


「生忌物倶楽部」連載中



「夢見るように夢見たい」完結済み


「四季の四姉妹、そしてぼくの関わり方。」完結済み


「固茹卵は南洋でもマヨネーズによく似合う」完結済み


「甚だ不本意ながら女人と暮らすことに相成りました」完結済み


「墓場でdabada」完結済み 


「甚だ遺憾ながら、ぼくたちは彼の地へ飛ばされることに相成りました」完結済み


「使命ある異形たちには深い森が相応しい」完結済み


「空から来たりて杖を振る」完結済み


「その身にまとうは鬼子姫神」完結済み


「こころのこりエンドレス」完結済み


「沈黙のシスターとその戒律」完結済み



 も、よろしくお願いいたします。

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